2024年04月25日( 木 )

難所の数々を乗り越えたからこそ若者に伝えたい建設業の醍醐味(前)

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大祥建設(株)/(株)店舗開発マネジメント

 福岡市の老舗建築会社、大祥建設(株)は、個別指導塾を国内外で運営する(株)SCホールディングス(以下SCHD)のグループ会社。教室設営を迅速かつ確実に行うための建設部門の要として、同グループを支えている。代表取締役社長の平城重則氏は、今年度からは同じグループ内の(株)店舗開発マネジメントの代表も兼ねるようになった。目下、若手社員の教育に熱心に取り組んでいる。

高齢者は現役世代若手社員の教育が必須

3Fに(株)店舗開発マネジメント、4Fに大祥建設(株)を構える<

3Fに(株)店舗開発マネジメント、4Fに大祥建設(株)を構える

 若い頃から大祥建設(株)一筋に勤めあげてきた平城社長は激動の建設業界のなかで、清濁併せ呑む体験を積み重ねてきた。民事再生やM&Aなど、経験したことはすべて血肉となっているという。「建設業界の面白味は」と問われれば、「お客さまの紹介を通して、違うお客さまとのご縁が次々とできていくところ」と答える。人の輪を乱すものは大嫌いだと断言する。
 妥協しない姿勢を定着させ、状況に左右されない不動の技術を大切にする平城社長だが、自身が置かれる状況に対しては常に柔軟な姿勢を取る。20代、30代の社員が役付きで活躍する若々しい社風の(株)SCホールディングスとの縁ができたのもそのおかげだ。

 新たに代表となった(株)店舗開発マネジメントの社員も20代が多い。業務内容はオフィス・店舗づくりのトータルプロデューサーとして、物件探しからレイアウト作成・内装デザイン・家具選定・電話、ネットワークの配線準備、引越・移転手配など、設営全般。建設業とは種を異にする。「いわば店舗開発マネジメントの業務は建築の専門家でなくてもできるものです」と平城社長。その会社を、今、一般建設会社に育てようとしている。

 若手職人を育てることの難しさは建設業界では良く耳にする悩みだが、だからこそ真摯に取り組む必要があるというのが平城社長の考えだ。まずは「高齢=引退」という意識を変えることを提案する。「職人の数が減っていると言いますが、それは引退時期を60代と考えているからではないでしょうか。現場には高い技術を持つ70代の職人が現役で働いています。むしろ若者の人材不足が深刻なのですが、それも若いうちからしっかりと教えていけば育つと思います。ゆとり世代の教育は、我々には理解しがたいことも多いものですが、技術を仕込むのに若い人の気質に合わせて優しく教えるようなことはしません。スパルタですよ」と平城社長。

 両社は同じビルの3階と4階にオフィスを構え、朝礼もラジオ体操もともに行う。店舗開発マネジメントの新入社員は大祥建設のオフィスで1年間、原価管理の仕方などを始め、基礎からしっかりと教え込んでいく。「今いる社員を全員建設業者のプロとして育てていきます。あとは、20~30代の有資格者を雇えば、それで店舗開発マネジメントは盤石の体制が整った建設会社となることでしょう」と、店舗開発マネジメントの社員たちに期待している。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
■大祥建設(株)
会 長:吉田 知明
社 長:平城 重則
所在地:福岡市博多区諸岡1-6-1
設 立:1947年3月
資本金:4,304万円(内準備金1,304万円)
TEL:092-584-1560
URL:http://taisyo-const.co.jp/

■(株)店舗開発マネジメント
会 長:吉田 知明
社 長:平城 重則
設 立:2010年8月
資本金:4,500万円
TEL:092-558-8410
URL:http://od-mg.com/

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