2024年04月16日( 火 )

生き残りをかけた中小警備企業の攻め手とは~地場2社対談(3)

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(株)拳和警備保障 石松 剛 氏
東洋警備保障(株) 岩崎 徳男 氏

 地場警備会社は今後、どのように生き残りを図っていくか。社会不安の高まりなどから警備業に対する需要は高まっているが、業界は売上高1,000億円を超える大手2社の強さが際立つ構造となっている。この状況下で、9,000社を超える警備業者はいかに生き残っていくか。特徴ある2社に対談していただいた。

 ――4号業務は抱えるリスクが大きいのですね。

 石松 たとえば盗撮犯のなかには、社会的地位の高い人も多いんです。万引きでもそういう人がしてしまう時代です。捕捉しようとすると、向こうは逮捕されて失職することを恐れて、逃げようと必死で暴れる。隊員がケガを負う、受傷事故につながる場合もあります。

 ――リスクが大きく参入も難しいからこそ、活路もある、ということでしょうか。東洋警備保障さんではいかがでしょう。


 4――大手がやらない部分ですね。
 岩崎 弊社は機械警備、競争の激しい領域です。一番激しいのは2号業務ですが、1号業務については大手各社がいる。そのなかで戦っていく、差別化していくために、福岡市内では分譲マンションの建築時の設計にホームセキュリティを入れてもらう仕組みづくりを行っています。なおかつ、機械警備の異常発報を受けて現地に向かうだけではなくて、入居者の方からの不審者がいる、あるいは自動ドアが開かない、そういった電話での問い合わせにも24時間体制のコールセンターで受け付けています。例えば雨が降って漏電して、駐車場の照明がついていないことがよくあるんですね。電話を受けて現地に行き、漏電箇所を確認して、そこ以外のブレーカーを上げる。ある一定の修復をして、次の日に専門業の方の手配をする。そういった細かい動きをしています。

 岩崎 基本、マンションの場合は管理会社の領域ですが、24時間の出動体制を持っていない。そこで警備会社としての機動性を活かして、ほかの警備会社がやらない部分までうちがやる。雑務といえば雑務ですが、そういった周辺の附帯サービスまで手がけることで、受け入れられるようになってきているのだと思います。

 石松 隊員の方が注意された際に、トラブルになることもあるのではないですか。

 岩崎 以前、中洲や小倉の繁華街での警備業務をしていまして、騒いだり暴れたりする酔客の対応をしていた時の経験があります。吐しゃ物はじめ、汚物の対応までやっていくなかでノウハウを身につけてきました。いまはマンションですが、「蜂が出た」ということで蜂の巣を探したり、ゆかいな経験をしています。(笑)

(つづく)
【聞き手:鹿島 譲二/文・構成:吉井 陸人】

<COMPANY INFORMATION>
(株)拳和警備保障
代 表:石松 剛
所在地:福岡市博多区比恵町2-33
資本金:1,000万円
TEL:092-477-9534
FAX:092-477-9535

<COMPANY INFORMATION>
東洋警備保障(株)
代 表:岩崎 徳男
所在地:北九州市小倉北区今町1-1-41
資本金:1,000万円
TEL:093-591-1785
URL:http://www.toyokb.co.jp/

 
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