2024年04月25日( 木 )

未来のまちづくりのため、チーム九州で新たな学びの場設立へ

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(一社)福岡県建設専門工事業団体連合会
建設産業専門団体九州地区連合会 会長 杉山 秀彦

改善すべきは改善する実行力を持つ

平成26年度「建設業の未来を担う」高校生の君たちへ・作文コンクール『国土交通省大臣賞』<

平成26年度「建設業の未来を担う」高校生の君たちへ・作文コンクール『国土交通省大臣賞』

 九州の専門工事業者団体、11団体からなる建設産業専門団体九州地区連合会(以下九州建専連)。国土交通省、九州地方整備局等との意見交換会を通じて、九州建専連では長期的視野に立った『現場思考』の「ひとづくり」・「ものづくり」事業推進を行っている。

 現在、専門工事業で働く人が持っている技能・技術の次世代への継承は、建設業界が解決せねばならない堅急の課題の1つだ。自身鳶職人としてのキャリアを持つ九州建専連会長の杉山秀彦氏は、この問題解決に必要なのは「金、保険、休日」であるとズバリ答えてくれた。
 「かつては元請けも、自分たちで下請けを育てていこうという意識が強かったと思います。現場で働く職人たちのために、寮や社宅の整備をしようとすれば援助を申し出てくれていました。だからこそ下請けも職人に対して十分な労務単価を提示することができていた。職人の方が高給取りなんて時代もあったんですよ。ところがバブル崩壊後、元請けも自分が生き残ることに精一杯で、下請けに対してだんだんと余裕がなくなっていきました」(杉山会長)。

 バブル以前・以後の元請けと下請けの関係性の変化が、そのまま労働環境の変化にもつながり、結果として若い人材を業界から遠ざける原因の1つとなっている。業界のイメージを端的に表したものとしてよく使われる「3K(=きつい・汚い・危険)」という言葉の存在も、その流れに拍車をかける。九州建専連ではこの3Kという言葉の持つイメージを払拭しようと、「感動・感謝・貢献」の新たな3Kを推進している。

教育の現場にもっと専門工事の魅力を

 杉山会長は、未来の職人となる若者たちに専門工事業のことをもっとよく知ってもらうため、自ら工業高校をはじめとする学び舎に足を運び、進路指導の教員に業界の魅力を伝えている。そんななか、ある学生が職人への想いを綴った作文が、平成26年度「建設業の未来を担う」高校生の君たちへ・作文コンクールにおいて、見事「国土交通省大臣賞」を受賞した。
 この経験は、杉山会長がかねてより構想として抱いていた職人を育成する「訓練センター」の実現に対する気持ちをより強いものとした。

 「訓練所は静岡の富士教育訓練センター、広島建設アカデミーなどが存在していますが、九州から研修者を送り出したい企業からすれば、交通費をはじめとする諸経費や、研修状況を逐次確認したくともできないといった点がネックになってきます。そこで福岡県団連、県や市とも一丸となって、福岡における研修の実施を考えています。来年度から、まずは躯体コース、そして仕上げコース、設備コースと研修内容も充実させていき、将来的には九州建専連でも拠点を確保し、専門工事業の若きプロフェッショナルを輩出していきたいと考えております」(杉山会長)。

 杉山会長の「人材を自分たちの手で育て上げていくのだ」という力強い意思と取り組みは、必ず九州建設業界の未来を明るいものへと変えてくれる。

<COMPANY INFORMATION>
一般社団法人 福岡県建設専門工事業団体連合会
会 長:杉山 秀彦
所在地:福岡市東区多の津4-5-13 スギヤマビル6F
TEL:092-624-7599

<プロフィール>
sugiyama杉山 秀彦(すぎやま ひでひこ)
1954年4月、佐賀県生まれ。一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士。趣味は温泉とゴルフ。

 

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