2024年03月29日( 金 )

経営教訓~指名停止措置の裏側にあるもの

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sora 電気工事業を手がける上内電気(株)(本社:福岡市中央区、境のり子代表)は建設業許可に関する不備が判明し、福岡県から2013年12月20日から14年1月19日までの1カ月の間、指名停止を受けた経験をもつ。停止理由は建設業法違反行為。「営業所の専任技術者を欠いていたにもかかわらず、建設業法第11条第5条に定める届出をせず、平成22年7月21日から平成25年10月22日付けの建設業(土木一式)の廃業届及び専任技術者の削除届が受理されるまでの間、許可要件を欠いたまま建設業を営んでいたことが、建設業法第7条第2号及び第11条第5号に違反する」とのことだった。

 同社は道路照明などの屋外電気工事が主な事業であり、電気事業の許可があれば付随する土木工事は許可申請の必要がなかったが、念のために土木一式の建設許可土木工事業も行うものとして土木一式の建設業の許可を受け、専任技術者も置いていた。しかし、この専任技術者が退職する時に廃業届を提出するのが遅れていた。それを県は見逃さなかった。
 行政は実体のある会社かどうか知る必要がある。反社会組織などの資金源を断つ意味合いをもつ。このため同社が過去許可を受けつつも、土木工事の実績がなく、その後の廃業手続きなどの届け出がないとして、1カ月間の指名停止を受けたのだ。”遅れずに届けを出さないとこうなるぞ”とまさに見せしめとも取れる処置だった。建設業関連の方には、この件をぜひ今後の経営教訓としていただきたい。

【道山 憲一】

 

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