2024年03月29日( 金 )

ワンランク上の物件と相続税対策、企業努力により増収増益を達成

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(株)ネスト 代表取締役 新井 晋一

女性向け仕様が男性入居者にも好感

ネストピア博多シティ<

ネストピア博多シティ

 投資型マンション販売の(株)ネストは、2015年3月期決算で、売上高25億円、経常利益5億円と増収増益を達成。不動産・建設の景気が回復しつつあるなか、いち早く潮目を感じ、攻めに転じたのが奏功したかたちだ。
 「2年前に土地が値上がりしそうな予感がしたので、『ネストピア博多シティ』を含め、2カ月で3棟の用地を買収しました。良いタイミングで物件の仕込みをしたことが、好業績につながっています」と語る新井晋一社長。

 福岡市は若者人口率、女性独身率とも全国1位。世帯数に占める単身者率は約50%にもなることから、ワンルームマンションが建設ラッシュを迎えた。そこで同社は、競合他社との競争優位を考え、「ワンランク上の部屋」で勝負している。とくにワンルームは女性向けの細やかな仕様にすると、男性の入居者にも好まれることから、広めのキッチンやシューズボックス、ウォークインクローゼット、全身が映せる姿見など、入居者へさらに配慮した物件の企画に取り組んでいる。

 向上心が旺盛な借主ほど、ワンランク上の部屋を求めるようで、仕事での上昇志向がそのまま所得アップにつながっているようだ。プラス2万円の家賃でも問題はない。すでに中央区の唐人町、博多区の須崎町、早良区の藤崎と好立地に用地を確保。今期の開発計画も順調に進んでいる。
 同社は市場性を捉えた物件企画に新たな相続税制を加え、投資家やオーナー向けにセミナーを開催している。好業績の背景には、きちんと情報発信を心がけた細やかな企業努力が垣間見える。

40代がさらなる若手経営者を牽引

 新井社長は5年前、「福岡に元気を博多に輝きを」をテーマにした異業種交流の場、「博多元輝会」を有志とともに結成した。メンバーにはマンションデベロッパーのほかに、リフォーム会社、弁護士、司法書士など不動産ビジネスに関わりを持つ20社の役員が参加する。
 「福岡の人口は今後も増え続けるでしょう。ですから、僕たち40代ができる限り引っ張っていきたい。新しいメンバーには30代も入ってきてくれているので、ビジネス交流しながら情報交換も行っています。1社だけでは解決できないことも、会員相互の協力により可能になりますから」(新井社長)。

 一方で、新井社長は女性の活躍にも期待する。同社のトップセールスは1位、3位が女性。営業ノルマに対する意識の高さは、男性以上のものを感じるという。もちろん、同社では有能な女性社員に長く働いてもらうために産休・育休制度を完備し、子育て応援も宣言。現場を外れる期間は社員全員でカバーするなど、態勢を整えている。現に子育てを終え、現場に復帰した社員もいるほどだ。

 政府は「女性の活用」を基本政策に掲げ、大手企業も取締役登用に動き始めている。こうした傾向から、新井社長は「将来的には中小企業でも女性幹部はあり得る」と語る。新入社員の育成、女性を含め社員にとって働きやすい環境づくりも、同社躍進の原動力になっている。

※記事内容は2015年8月31日時点のもの

<COMPANY INFORMATION>
(株)ネスト
代 表:新井 晋一
所在地:福岡市中央区警固1-15-6 KH22ビル3F
設 立:1999年9月
資本金:1億円
TEL:092-737-5223
URL:https://www.newnest.co.jp

<プロフィール>
arai_pr新井 晋一(にい しんいち)
1968年2月、長崎県上県郡峰町(現対馬市)生まれ。県立対馬高等学校卒業後、大阪の日用雑貨販売会社に就職。ワンルームマンションの販売会社2社で営業を経験した後、99年に(株)ネストを設立。趣味はゴルフ。

 

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