2024年04月17日( 水 )

元「鉄人」衣笠氏が斬る!~2次キャンプ(前)

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 今、アメリカでは4年に1回の大統領選の候補者選びの選挙が行われていて、大変な騒ぎとなり、各州で盛り上がりを見せている。とくに3月1日のスーパーチューズデーで今回の選挙の大勢が見えるだけに、凄い盛り上がりを見せた。

baseball そんなアメリカの盛り上がり様から比べると、比べようがないのだが、日本では今年もプロ野球のキャンプ地での1次キャンプが終了して、2次キャンプのオープン戦が各球団で始まった。
 1次キャンプで頑張った若い選手たちが、この2次キャンプでどんなチャレンジを見せるのか。それとも、今まで頑張ってきた中堅選手たちが跳ね返すのか――。オープン戦で監督が誰を先発に使い、そしてそれを監督がテストするのが2次キャンプの序盤での見どころである。チームとしての力を図るというにはまだ少し早いのだが、この若い選手たちがチームに大きな刺激を与えてくれることはたしかだろう。

 2月20日に沖縄で始まったオープン戦の巨人-DeNA戦。この試合では、巨人は先発にマシソン投手を、「今年3塁手に固定できるか?」という期待の岡本選手を3番打者として起用。そして2番打者には、新人の重信選手を起用。新監督の期待が見えるようだ。そして、昨年ブレークした立岡選手の確認かな。
 対するDeNAのラミレス監督は、同じく新監督だが、昨年はプロ野球から離れていただけにチーム全体の雰囲気、そして自分の野球を選手に理解してもらう意味でも、大切なオープン戦になるだろう。そして、誰が柱になり、誰を切り込み隊長にするのか。チームを落ち着かせるためにも、早く全体を見せたいだろう。

 次が、ロッテ-中日戦だが、こちらは両監督がチームをよく知っているように見えるだけに、補強のポイントも今年はすでに決まっているだろう。とくにロッテの伊東監督は、今年はどうしても勝ちたいシーズンだけに、強敵ソフトバンクを倒すためにはどこを突けばいいのか――を考えながらのオープン戦になるだろう。その意味では、序盤戦に新外国人選手が犯したミスは、大きなダメージになってしまった。このチームの将来を考えると、新人の平沢選手を育てたいところだ。
 対する中日は、谷繁監督が選任監督としてのスタートを切るシーズンで、どんな采配をグランドで見せるか。将来に向かってどんなプランを持っているかが見たいシーズンである。ここの見どころは、新外国人選手ビシェド選手がどこまで活躍できるか。この選手が活躍すれば、他の選手が引っ張られてチームに勢いがつき、面白いと思う。次の時代を考えると、捕手の固定を早く決めたいのだが、最近はどこのチームも捕手を固定しないでケースバイケースで使う傾向があるだけに、谷繁監督は将来に向けてどんな構想を持っているのか。それが今年は見えるだろう。

 広島-ヤクルト戦は、今年もシーズンでの成績が両チームの順位に関係するだけに、この時期のオープン戦といえども、気が抜けないだろう。オープン戦だからと気を抜いていると、シーズンに影響しそうな気がするからだ。
 広島は、新人選手のテストよりも、チームの柱となって投げてもらいたい野村投手の先発が、緒方監督の気持ちを表していると思う。そして2番手に、大瀬良投手が故障をしてしまったために頑張って欲しい新人で、評判の高い横山投手を登板させてテスト。投手の使い方を見ていると、どうしても勝ちたいという気持ちが現れた采配だったと思う。打線も、そんな緒方監督の気持ちに応えて11点を奪い、ヤクルトに大きなインパクトを与えたことだろう。
 対するヤクルトは、広島は左投手に弱いというデータをもとに、今年は頑張ってほしい成瀬投手を登板させ、2番手に杉浦投手、そして新外国人投手ペレス――という順番でテストしたという感じに見える。野手も1番に、オリックスで頑張ってきた坂口選手をテストしているが、この選手は十分に戦力として機能しそうだ。元気が良い!!広島としては、要注意だろう。

(つづく)

 
(後)

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