2024年04月26日( 金 )

元「鉄人」衣笠氏が斬る!~2次キャンプ(後)

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 翌21日には、ロッテ-日本ハム戦が行われた。日本ハムの栗山監督は、左腕の吉川投手を指名するなど、ほぼ開幕メンバーで試合に臨んできていた。そのなかで、唯一新人では横尾選手をテストしている。

baseball 今年、大きな話題を提供している阪神ではヤクルトとの試合を行い、結果は5-1で勝利。幸先の良いスタートが切れたと思う。
 金本監督が指名した岩崎投手が4回で6安打されたが、連打を許さず0点に抑えて監督を喜ばせ、2番手のテストをした秋山投手も3回を0安打。「今年は少し違うぞ!!」という姿を見せたと思う。事実、今年は16日の楽天との練習試合のときに見た秋山投手は、昨年までのようなマウンドで力みかえっているように見えていた姿がなく、リラックスした投球を見せていたのが印象的に映った。これが今年持続できれば、期待してもいいと思える投球内容だった。
 もう1人、歳内投手が8回に1点を奪われたが、試合の勝敗には関係のない1点であった。打線も大和が3安打、期待の横田が2安打、北条が2安打。また、陽川、ペレス、中谷、上本といった、今、頑張らなくてはいけない選手が結果を残してくれており、金本監督は喜んでいると思う。

 楽天もオープン戦が始まった。もうベテラン監督になった梨田監督が、「どんな雰囲気を作り試合をするのか?」と見てみると、やはりこちらは毎年「今年こそは」と期待されている森投手が先発。戸村投手、新人の石橋投手、3年目の相沢投手というメンバーで臨んできた。野手の方も、2番に新人吉持選手を遊撃。中堅では話題のオコエ選手というところをテストして、チームを観察しているところが見えるような気がする。ベテランでは広島から来た栗原、外国人選手アマダーなどを今の時期に使いながら、テストしているように思える。

 3月に入り、これからは全球団がオープン戦に入る。2日に始まり、3日にロッテ-オリックスの試合が行われて、これで10球団が出てきた。
 今回のオリックスは、昨年悔しいシーズンを送り、オーナーがかなりの勢いで強化を図っただけに、今年は失敗ができないシーズンとなると思われる。それだけに、キャンプから福良監督の厳しいコメントが新聞、テレビ伝わってきている。
 そのチームの第1戦は、「勝ちに来たね」ということが見える先発投手で、金子投手の登板となった。2番手に松葉投手、3番手に佐藤投手と並べて勝ちに来たが、2番手の松葉投手が失敗しての敗戦。福良監督は悔しい初戦となったと思う。オープン戦とはいえ、昨年失敗したチームにとっては、ここで勢いをつけておきたいだけに、これからどんな起用を見せるかが、見どころとして期待したい。

 その西武が3日に、楽天を相手に倉敷でオープン戦に突入した、失敗できないシーズンと知っての田辺監督のシーズンである。その意気込みを見られるような先発投手は、菊池投手。入団以来、「今年こそ」「今年こそ」と15勝、20勝の夢を見させてくれる投手だが、いまだに10ラインに届かない。期待に応えての投球は4安打1失点だが、初回に1点を取られたのが気に入らない内容だった。野手はまだ秋山、中村、メヒア選手は出ていないが、浅村選手は頑張っている。

 そして最後に、昨年のチャンピオン・ソフトバンクの工藤監督が、地元福岡で阪神を迎えての初戦。千賀投手を立てての戦いに挑んだ。今年はこの投手を、武田投手のように何としても育てたいように感じる。そして、この時期にしては早いと思える抑えの切り札、サファテ投手を最後に投入。延長戦での負けを防ぐあたり、今年のペナントに向けての準備が見えるようだ。
 この工藤監督は、監督としては2年目の若い監督だが、今まで素晴らしい監督の下、何度も日本一に輝き、勝ち方をしっかりと知っていると思える。何か、広岡、森監督からいただいたものを見るような采配を見せることがある。

 これで12球団すべてがオープン戦に入り、若手の成長、中堅のレベルアップを図る時期を迎えた。監督が期待するどの選手が、今年はチャンスをつかむか――。頑張りを期待したい。

(了)

 
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