2024年04月23日( 火 )

 今回は、福岡市中央区大名を特集した。ソラリアプラザや福岡三越の開業によって、九州最大の繁華街・天神の中心が天神交差点から南下していくのにともない、「大名」にも人が流れ込むようになった。リーマン・ショック前、ミニバブルの時期には不動産ファンドによるビル開発が相次ぎ、小さな商業店舗などが真新しいビルに建替えられていった。しかし、建替えられていったビルは賃料も高く、「若者のまち」は次第に姿を変えていった。

 ミニバブルから10年以上を経て、次は「天神ビッグバン」だ。天神ビジネスセンターが9月に竣工し、2022年末には「ザ・リッツ・カールトン」が入居予定の「旧大名小学校跡地活用事業」―大名小跡地の再開発ビルが竣工を予定している。

 最高級ホテル開業に期待する声は多く、大名エリアでもビル建替え計画が複数進行。大名で所有する土地面積は「大名3位の地主」だという東邦ハウジング㈱による、エリア内での物件取得スピードも増してきた印象だ。同社は今後、ファンド組成を計画しており、地元資本以外からも資金を集め、大名を活性化させていきたい考えとのこと。このポイントは、資本は外部から集めるものの、運営は地元資本で行うということだろう。「大名らしさ」の良い部分を残しながらの運営ないし開発への期待がかかる。大名のような入り組んだ「裏」のまちは全国にあり、そこでも大名の実績を生かしたい考えのようだ。

 ザ・リッツ・カールトンだけでなく、グローバル人材を集めるためのハイグレードオフィス、レジデンスなどが、大名エリアにどのような影響をもたらすのか―。約1年後の竣工を控え、期待と注目が集まっている。

株式会社データ・マックス
永上 隼人

最高級ホテル開業へ 福岡・大名の未来図|まちづくりvol.42

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