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三洋電機、同族経営の終焉 (3)
 
井植ファミリー企業との「不適切」な関係


 創業者一族は退場。だが、「井植商店」と呼ばれた三洋電機と創業家との密接な関係は、依然として残るようだ。

井植敏氏(75)が、オーナー然として君臨するなか、三洋電機の病巣はじわりと広がっている。敏氏の時代になり、かえって同族色が強まった。その暗部が井植ファミリー企業との取引である。

■ 異人館を買収

望淡閣  神戸市垂水区。JR西日本塩屋駅から徒歩で約15分。坂道をあがったところに「ジェームス山」と呼ばれる高台がある。神戸市を代表する高級住宅街には洋館が建ち並ぶ。横浜の山手、長崎の大浦と並ぶ日本屈指の洋館として、映画の撮影場所によく使われる。異人館めぐりは神戸観光の目玉なので、一度は足を運んだことがあるだろう。

 明石海峡大橋のかかる淡路島を遠望できるこの高台には、三洋電機の創業者、井植歳男氏が晩年に居を構えていた「望淡閣」(ぼうたんかく)や井植氏を顕彰する「井植記念館」が建つ。ここは、井植一族のゆかりの地なのである。

 この地は1930(昭和5)年に、英国人貿易商アーネスト・ウイリアム・ジェームス氏が自邸を含めて英国人用賃貸住宅(異人館)を約60棟以上開発したことに始まる。第2次世界大戦がはじまり、ジェームス氏は一時帰国。戦後戻ってきたが、52(昭和27)年にジェームス氏が他界。相続税を支払うために遺族が開発地を売却した。

 これらの土地と異人館を買い取ったのが歳男氏。一帯の開発を進めて、同地区はジェームス氏の名を取り「ジェームス山」の愛称で呼ばれる神戸市きっての高級住宅街になったのである。

 歳男氏は晩年、ジェームス氏の旧邸「望淡閣」に居住。郷里・淡路島と神戸市をつなぐフェリーの客が多いかどうかを、自宅の窓から望遠鏡で観察し、フェリーの客が少なければ、部下のフェリー会社社長に叱責の電話を入れた。フェリー会社の社長や役員はついにはノイローゼになったという逸話が残る。

■ ファミリー企業群

 「ジェームス山」一帯を開発した会社名は、地名の塩屋町にちなんだ「塩屋土地」(神戸市垂水区)。井植一族のファミリー企業の中核で、三洋電機株式の2,246万株(約1.1%)を保有する10位の大株主(06年9月末現在)だ。

 塩屋土地の設立は1957(昭和32)年5月。社長の井植貞雄氏(71)は敏氏の実弟。取締役には敏氏、敏雅氏親子をはじめ、敏氏の甥にあたる章夫氏、登氏、博晃氏など井植一族がズラリと名を連ねる。資本金は2,000万円。一族が出資し、筆頭株主は26%を保有する敏氏。井植一族の資産管理会社なのである。

 事業目的は不動産の賃貸・管理業。2006年10月期の売上高は25億4,657万円、最終利益は6億7,044万円。昨年、米ワシントンの高級ホテル「ヘイ・アダムス・ホテル」を約1億ドル(約116億円)で売却。その売却益で利益が膨らんだ。
 同ホテルは、敏氏が三洋の社長時代に塩屋土地が購入したもの。ホワイトハウスの向かいに建つこのホテルには、敏氏が親交を深めていたクリントン大統領が当選した直後に宿泊したことで知られる。

 井植ファミリー企業は塩屋土地を中核に、歳男氏の出身地である淡路島に本社を置いており、具体的には、ハイウェイでレストラン・ショップを経営するユーアールエーや、ホテル経営の淡路開発興業、自動車教習所のアイジー興産、淡路フェリーボートなどがある。

 井植ファミリー企業が一族の資産管理会社として、三洋の株式を所有しているだけであれば、何の問題はない。ところが、ファミリー企業は三洋と“商売”をしていたために腐臭を放つことになる。


(つづく)




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