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危うさ秘める拡大戦略 ── (株)トライアルカンパニー (1)
 

低収益、低自己資本に課題


 (株)トライアルカンパニーの快進撃が続いている。07年3月期は売上高が3割増の1,300億円強、経常利益は5割増の16億円となった。今期は売上高1,600億円を目指す。

 だが、極端に低い自己資本比率と、いびつな財務体質、回転差資金に依存した設備投資、低利益率と経営の内実は綱渡りに近い。拡大戦略に落とし穴は無いのか。


田川に大型物流施設着工

 5月上旬、田川市内を見下ろす白鳥工業団地に着工したトライアルカンパニーの物流センター。総面積は5万8,000坪(約19万2,000m2)あり、その広さにまず驚かされる。
 同社よりも年商の大きい紳士服専門店・青山商事の九州物流センターが近くにあるが、その数倍の面積はあろうかと思われる。

 流通業界では、自前の物流施設を作らず、外部に委託するのが最近の傾向。
 イオン、MrMax、ハローデイなどはサードパーティ・ロジスティクスの手法を採り、第3者の専門業者や取引先に施設を作ってもらい、自社は店舗の営業力強化に専念している。

 トライアルは総投資額約21億円をかけ、敷地内に定・常温の物流施設のほかに、惣菜工場、食肉や水産物のカットやパック詰めなどを行なうプロセスセンターを建設する。物流センターは延べ床面積2万3,000m2で、来年度中の稼働を目指す。

 直接利益を生まない後方部門に大型投資をすることを疑問視する声もあるが、
「現施設がいずれ手狭になるから作る。資金はキャッシュフローの範囲内でまかなえる」
 と意に介する風はない。

 流通業の定石を無視するという点では出店戦略もそうだ。九州からいきなり関東・東北へ飛んだと思ったら、京都と大阪に進出。2年前には倉敷市の倉敷サティ跡に居抜き出店した。同じく関東に進出したMrMaxが忠実にドミナント展開の原則を守っているのに対し、トライアルの展開は、一見すると脈絡がないように見える。

 販売力は競争相手と取引先が一致して認める。ニコニコ堂時代、赤字店舗の筆頭だった新宮店を、年間60億円近く売上げるドル箱店に蘇らせたのをはじめ、宮崎(旧寿屋)、小倉西港(旧オサダ)、福岡空港前(旧コーナン商事)と同社が再生した店舗はいとまが無い。

 競争相手に最も恐れられている存在にもなっている。同社が進出すると、周辺スーパーは売上が平均して2割落ちると言われる。5月下旬オープンしたトライアルの門司店を視察したサンリブの幹部は
「低価格を求める顧客を取られるのは仕方ない」
 とあきらめ顔だった。


自己資本比率わずか2.3%

 前期は九州7店、関西3店、関東1店の計11店(コンビニ2店を含む)を出店し、1店を閉鎖、期末店舗数は59店となった。新店のうち7店が居抜きだった。既存店も増収を確保し、全体の売上高は計画していた1,300億円をやや上回った模様だ。

 経常利益が急増したのは、増収効果に加え、粗利益率が改善されたためとしている。粗利益額は210億円強と約50億円増加、率で06年3月期の15.2%から16.1%に高まった。とはいえ経常利益率は1.2%にすぎない。同社の目標とする米国ウォルマートは、売上高純利益率だけで3.6%ある。
 ウォルマートが巨大な販売力を背景に「安く売って利益を出す」という高度なシステムをつくり上げたのに比べ、安売りの低収益にとどまっているのが実情だ。

 財務体質は脆弱だ。06年3月期末の自己資本比率はわずか2.8%という低さ。本格的にディスカウントストア事業に乗り出してから今年で10年余りしか経ってないこともあるが、低収益のため資本の蓄積が進んでいない。07年3月期もほとんど改善されてないと見られる。


(つづく)




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