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本質を捉えた事業の推進 廃材を木質バイオ燃料へ 富夢創家~Tomsouya~ | ズームアップ
特別取材
2008年3月 6日 15:01

中国・上海に拠点を構え、現地製造のカントリーハウスの施工・販売を手掛ける富夢創家。同社の小池代表は、次世代の環境問題の本質を捉えたバイオ燃料生成の機械を作り上げ、その流通促進への意欲を見せる。

環境問題への真摯な取り組み

 「私は、この木質バイオ燃料事業を日本中に広めたい」と熱く語る富夢創家の小池代表。木質バイオ燃料事業とは、循環型バイオマスの構築、すなわち木質の間伐材を再製させるペレット燃料の製造と流通システムの推進である。
 同社のルーツは、12年前に創業・設立された工務店。ログハウスを製造・販売する事業を手掛け、大手との取引も増えるなど、経営は順調であった。より経営効率化を図るため、小池代表が単身で中国・上海に渡り、現地で資材を製造後、貨物船で材料を輸送し日本で施工する仕組みを構築。ローコストで高品質のログハウスを提供し、現在に至っている。

 小池代表は、事業を行なっていくなかで、環境問題に対する意識が高まっていったという。「現地の工場で、原木を資材に製造していく中で、おが屑などが大量に出ます。これらを、再製できないかと考え始めたのがきっかけです」。
 その小池代表の考えが形となったのが、木質バイオ燃料(木質ペレット)を生成する設備・機械だ。「環境問題は、我が国のみならず世界中の最重要課題です。その本質は、石油という燃料が枯渇したとき、どうするのかということではないでしょうか。石油が枯渇してしまってから、お手上げになってしまっては遅いのです。次世代につなげるための燃料を作り、広めることが使命であると私は思います」と小池代表は語る。


石油の2分の1のコスト

 木質ペレット燃料とは、おが屑や鉋屑などの製材廃材や林地残材、古紙といった木質系の副産物、廃棄物を粉砕、圧縮し、成型した固形燃料のことである。ペレット燃料の特徴は、ほかの薪、木炭、チップ、エタノールなどのバイオマス燃料に比べて非常に扱いやすいところである。
 形状・含水率が一定であるため、自動運転装置に適しており、発電用ボイラーでも家庭用のストーブでも使用できる。とくに輸送に関しては、エネルギー密度が高く一度により多くのエネルギーを運べるため、長距離輸送が可能。また加熱処理が施されており、カビなどが生える心配が少なく、長期間の貯蔵が実現できる。

 1990年代に入ってからペレット燃料の生産活動が盛んになってきた。これは、地球温暖化防止やエネルギー安全保障の問題、灯油価格の上昇などに対して、先進国の政府が採った奨励策(環境税・機器導入補助・普及啓発活動など)が効果を表しはじめたのが要因である。具体的には、電気暖房や灯油システムがペレットシステムへと転換され、政府が奨励していない場合でも、ペレット燃料の持つ環境イメージや価格優位性によってペレットのマーケットは急速に拡大している。コスト面では、石油を使う際の約2分の1のエネルギー価格という優位性を持つ。

 現在、ペレット燃料は多くの国々で、灯油や天然ガスとの熾烈な価格競争にさらされている。ただ、環境への配慮、品質の高さ、扱いやすさの点などから、ペレットの需要は確実に伸びている。現に、世界で一番先行しているのがスウェーデンで、国内エネルギー消費の25%のシェアを占め、アメリカも20%に近い数値とされる。日本では、0.02%と未開の段階である。
 

つづく

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