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コダマの核心

丸美 瓦解の必然(14)最終総括(後) 企業価値はゼロ、配当ゼロ
コダマの核心
2008年8月20日 09:42

最悪の事態=配当ゼロの可能性

 このシリーズ(9)で「配当ゼロは許されない!! 金丸さん、金を返してよ」と訴えた。確かに、あの時点で債権者会議に提出された資料を見て誰もが驚愕し、「馬鹿にするな」と怒ったのは、率直な反応であった。「会社の資産状況を鑑みて一般債権者には配当できません」と通告されならば「会員権・社債で集めた116億円は何処に隠した。公にして配当資金にしろ!!」と迫るのは、素朴な行動であった。

 しかし、現実を直視してみると、結論としては丸美の企業価値はゼロ、いやマイナスだ。金丸氏の念願としては「民事再生法の申請をして、スポンサーを募って事業の再生を図る」つもりであったのだろう。特に「管理事業が入札で幾らかの値がつけば」という思惑が働いていたに違いない。ところが取材をしてみると「丸美の中核事業=管理ビジネス=には値踏みができない」ということが判明した。

 丸美の債権者、一般債権者の中には、得意先であるマンション居住管理組合の関係者が沢山存在している。債権者として複雑で、金銭的な絡みがある中で「『丸美さんのスポンサーになりました。今後、管理事業を引き受けます』と挨拶に行っても、恙無く事業を続行できる可能性は皆無、リスクが大き過ぎる」と、同業の管理会社の経営者は証言する。また、先方の管理組合から、「丸美さんの関係者との契約更新はお断り」と契約解除される危険性もある。巧みなところは「契約を継続しても結構。だが、我が組合では、丸美さんのおかげで5,000万の被害が発生したから、この分を負担してくれ」と条件を提示されるという想定・覚悟も必要だ。

 となれば「マンション管理、賃貸管理で総勢24,000戸あるから、事業価値は20億だ、30億だ」という方程式は成立しないということになる。「事業買収資金を捻出して、丸美への被害金を補填することまでして買う魅力はない」という勘定をするのは、当然のことである。「これであれば、個別交渉で管理案件を落としていたほうが得策だ」と判断して画策に走っている業者もいるようだ。まさに丸美の管理物件は同業者入り乱れての、刈り取りをし合う場になってしまっている。そうなれば同社の中核事業=管理事業の価値はゼロになる計算だ。他事業、例えばホテル事業などは、こちら(丸美側)が手出し(マイナス・損きり)をして引き渡すしか方策がない。考えたくないが、「配当ゼロ」という最悪のシナリオが闊歩しだした。金丸氏の隠し資産の吐き出ししか、救いの道はない。

落ち着くところ破産へ走る

 一般個人を巻き込んだ倒産の場合には、簡単にはスポンサーとして挙手する者はいない。丸美の例ではさらに難しいだろう。民事『再生』という目的で名乗り上げる奇特な方の出現が期待できないのであれば、残された道は破産を前提とした事業分割しかない。銀行から解放された金丸氏の資金調達術によって節度を失い、一瞬にして一般・個人の被害者を巻き込み、最悪の倒産を招いた。デベの諸先輩たちである経営者の挫折を数多く目撃してきた金丸氏自身が、『1993年以降組』倒産ドラマの主人公になってしまった。「あーもったいない」という言葉しか出ない。 つづく

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