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コダマの核心

創出派vs守旧派の激突戦争時代(6)~中小企業経営者が守旧派なら1年で潰れる
コダマの核心
2011年8月 3日 14:51

<中小企業・創出派の鏡、経営の見本>

 九州電力などの九電力各社は地域独占企業として法的保護を受けてきた。上場会社を装っているが、実態は官公庁組織に似たり寄ったりの組織である。だからこそ守旧派としての延命が図られてきた。中小企業の場合にはそんな甘い状況にない。基盤が脆弱であるから、時代の変化に乗り遅れたらイチコロだ。常に変化に適応できる能力が問われる。24時間ニーズ先取りの創出派の対応が求められてくる。

明太子 ある食材卸・明太食品の女性経営者A氏と経営談義をした。現時点から過去を振り返ると平成初頭が明太業界のピークであったことが理解できる。当時、このA氏の御主人は「もうあれやこれやせずに明太子一本に業種を限定しよう」と、言い出した。たしかに明太子専業の同業者は空前の利益を叩きだしていた。A氏は一喝した。「お父さん!!いつまで明太子のブームが続くかわかりません。お客の嗜好は気紛れだからいかなる事態にも対応する必要があります。それは商品の多角化しかありません」と、持論を展開された。

 選択した道は、明太子の材料を活かした御菓子の開発に励んでいくことである。この20年間で開発した商品は数多くに達する。ヒット商品のなかには年間5億円稼ぎだすのもある。A氏は自信あふれる発言を続ける。「商品開発の成功は5打数1安打の2割です。しかし、このような悪戦苦闘のなかから消費者の好みがわかるようになったし、今後の変化も想定できるようになります。明太子単品に専念していたら業績も伸び悩んでいたでしょう。中小企業経営の王道は"現在に安住しないこと"です」。

 A氏の会社は酒造会社も買収した。明太子の製造の過程ではたくさんの日本酒を消費する。経営不振に陥った酒造会社を傘下に置いて自前で酒の品質改革に励んだおかげで美味しい明太子が造れるようになった。結果、明太子の注文も増加している。一方では酒造会社で製造する酒も市販するようになった。グループ会社の飲食店でもメニューに加えているが、人気が高いという。A氏の中小企業経営の要諦は「時代を先取りできる感性を研ぎ澄まして商品開発に励むこと=創出能力に尽きる」ということであろう。弊社で「明太子レポート」を販売中であるが、A氏の会社の業績は進展している。元気な1社だ。

<中小企業経営者がすべて創出派とは限らない>

 A氏みたいに中小企業の経営者がすべて『創出派』とは限らない。たとえば明太子業界のなかにも「過去の栄光」に浸って現局面の苦しい環境を打破する意欲に欠ける経営者もいる。
「原料はアップするし消費は頭打ち、安売りする同業者が現れるし困ったことだ」と他人事のようにぼやいているのだ。「こんな愚痴を言っている余裕はないはずだが」と、こちらがヤキモキしてあげるのだが―。これでは近い将来、会社は行き詰るであろう。

 「真の卓越した中小企業の経営者」との評価を得られる条件は少なくとも2回は企業繁盛を構築することである。誰でもたまたまチャンスに遭遇して商売がヒットすることがある。ところが次の繁盛策を打ち出せずにアウトになるケースが目立つ。「やずや」みたいに大ブレークして超大枚を得れば次のヒット商品を世に送りだす必要もないが―。どうであれ、大転換期の時代には各戦線で傑出した『創出派』足りうる人材が求められている。

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