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コダマの核心

妥協心なき上村建設の組織再編 一世紀耐えられる企業への挑戦(上)
コダマの核心
2008年9月 9日 13:24

 上村建設(株)は福岡県内で断トツの経営内容を誇るゼネコンであることは周知の通り。同社は来年2月に50周年を迎え、いよいよ100年、一世紀を展望した壮大な挑戦をすることになる。上村秀敏社長は「どこが潰れてもおかしくない厳しい時代。未曾有の危機が訪れている。何でもありき、何でも起きる時代にはあらゆることを想定して対応できる準備が必要である」と心がけを説く。

改めてリスク管理が突きつけられる

 (株)インベスト(本社:福岡市中央区)の倒産により、上村建設は工事代金の焦げ付きが発生した。慎重な経営に徹している同社にしてみれば稀有なことだ。上村社長は「相手の見極め方に落ち度があった」と反省する。営業マンが必死で契約にこぎつけたとして、その苦労をねぎらうにしても、施主に関しては徹底した情報収集をして厳密な評価をする。そして「回収条件にリスクがないか」を非情なまでにチェックをするのが必須だということだ。

 「社内に気の緩みが充満していたことも事実。私自身も情報管理に甘くなっていたことも否定できない。この苦い経験を徹底的に教訓化していくつもりだ」と決意を語る。社内ではまず、デベロッパーの受注は基本的にやめることを再確認した。厳しい受注環境下では、営業マンも相手を吟味する余裕がない。「どこを見て仕事しているのか」と言いたくなる。現場の技術者たちを営業の最前線に配置換えして、社内の再活性化・再強化を図る。ゼネコン業界は未曾有の危機に直面しているのに、社内が安閑としているのでは企業は衰退してしまう。上村社長は今回の焦げ付きという苦い経験を組織の引き締めに活用している。

「お客さま本位」意識の捉え返しが最重要
 
 上村建設が業界一に抜きん出た背景には、「お客さまに儲けていただく」というメリット提供を先駆けていたからである。請負業の方々は、「しっかりした頑強な建物を提供する」ことに使命感を燃やしてきた。同社の場合、「技術的信頼は当然として、施主がどう利益を得られるか」というサービスの仕組みを徹底追求してきた。このビジネスモデルで、福岡都市圏の農業地主の方々にアパート経営を勧めて確固たる営業基盤を築いた。それとともに、アパート管理というストックビジネスを認めてきた。結果、関連会社ハッピーハウス(株)が強大化した。

 ストックビジネスへの先駆的な着眼点が、今日の上村建設の懐深さを開花させた。上村社長は社内に警告を発する。「自社が得意としてきた賃貸管理・リフォームの分野に大手が参入をしてきた。今やライバルはエーブルなどの全国企業だ。何十年家賃保証で切り込んでくる。となれば、エーブルに負けないお客さまサービスの提供が突きつけられている」。だからこそ、社員一人ひとりの「お客さま本位」の意識革命が問われてくる。大手との対抗戦は、上村建設とハッピーハウスの両社社員の一体化した意識の結合力によってしか戦えない。この危機感をバネにした社員の意識改革は着実に進展している。

つづく

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