霞山会館における上野公成元官房副長官側の政治資金パーティは、1年3ヵ月の間に29回。このうち会場費が10万円を超えるのは、わずかに6回だけである。最低額が昨日報じた18,049円である。
　29回の政治資金パーティで集めた総額は1億4,008万円。これに対して会場費の合計は252万5,641円でしかなく、収入に対する会場費の割合は2.4％に過ぎない。上野氏の元政策秘書が「単なる金集め」と言い放ったように、パーティの名を借りた政治資金集め、言い換えれば「献金ではない」ということを印象づけるためのものにしか見えない。

　ただし、上野元副長官側に対する積水・大和両社の政治資金提供の手口が、きわめて無理のあるものであることは、これまで報じてきたとおりである。わずかの間に50回を超えるパーティ。さらに、1日に2回、しかも「控え室」でパーティを開いたなどという論法は、永田町の人間にとっても仰天の話なのだ。

　上野元副長官の関連政治団体の収支報告書に添付された領収書の写しを並べてみると、何通りかの通し番号になる。この点について霞山会館会議室の運営委託を受けていた「(株)花山」に確認したところ、銀行振り込みで入金されていたので、後日まとめて領収書を発行したのだという。実は、「(株)花山」は霞山会館ビルで日本料理店「花山」を経営している。霞山会館の領収書と料理店の領収書は違うものだというが、収支報告書に添付された領収書だけを見ると、単なる飲食の領収書なのか、政治資金パーティの領収書なのか判然としないものが存在する。

　収支報告書上、07年3月14日「高齢者社会研究会」主催パーティの会場費分として添付された「(株)花山」発行の領収書には「ご飲食代として」と明記されている。同年のその他の領収書には「会場費代として」と記されていることを見れば、明らかに違うものではないかとの疑問が生じる。

　霞山会館で行われた会合は、本当に政治資金パーティだったのか。（株）花山側に、その点について確認したところ、「領収書はうちのものだが、政治パーティだったかどうかは覚えていない。領収書の控えは既に破棄してしまった」という。疑念はなお強くなった。

(つづく)

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