上野公成元官房副長官の関連政治団体に対する積水ハウス、大和ハウス工業による1億5,000万円を超える政治資金提供。20回の連載で、積水・大和両社と上野元副長官の関係、同元副長官関連政治団体による政治資金パーティの実態などを検証してきた。
　その過程で、政治資金規正法に抵触する可能性もある業界団体からの収入「不記載」など、上野元副長官側の政治資金収支報告書の信頼性のなさも判明している。
　上野氏側は、今回の件について同氏の元政策秘書（ここでは『Ｔ氏』とする）を窓口に指定している。取材の折、元政策秘書Ｔ氏が出した名刺には「上野公成事務所」と記されている。Ｔ氏は上野元副長官の関連政治団体の代表や会計責任者を兼任しているが、積水・大和から入金があった６団体全ての「事務担当者」欄には、Ｔ氏の名前が記載されている。事実上の金庫番である。
　実は、上野元副長官やＴ氏の名前が取りざたされたのは、今回が初めてではない。上野元副長官の政治資金については、これまでも、耐震偽装問題で名前が出た日本ＥＲＩ側からの献金が問題視されたり、別件の政治資金規正法違反でＴ秘書が告発されたという事実が残っている。
　上野氏の政治資金管理が杜撰だったことは、明らかであり、今回の上野氏側の言い分も、にわかには信じることができなくなっている。連載の再開にあたり、上野元副長官関連政治団体による06年・07年の政治資金パーティ開催状況の一覧表を掲載しておきたい。

※記事へのご意見はこちら