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東京レポート

独立系ノンバンクにショック、SFCGが破たん(下)
東京レポート
2009年2月25日 08:35

公正証書を使って回収

 SFCGの回収の手法は、白紙委任状+公正証書+連帯保証人の3点セット。なかでも、最大の特徴は、強制執行できる強制執行認諾付公正証書にしておくことだ。公正証書とは法務大臣から指名された公証人が作る法律文書で、公正証書があれば、裁判所の判決がなくても、財産の差し押さえや強制執行ができる。
 同社は、金銭消費貸借契約書の裏にカーボン紙をはさんだ委任状をセットし、融資契約にサインすると委任状に複写される複写方式をとった。委任状があれば、債務者本人でなくても公証人に公正証書を作成してもらえる。そして、債務者・保証人の預金や給与の差し押さえに使える強制執行認諾付公正証書を大量生産した。
 同社が、年間に作成していた公正証書は4万件以上。これは全国の公証人が作成した金銭貸借関係の公正証書約24万件の6分の1を占める。全国の公証人役場が悲鳴を上げたのも無理はない。ギネスブック級の公正証書の乱発だ。
 SFCGは公正証書を飛び道具にして、給与を差し押さえ、不動産を押さえていった。ほとんどの債務者は、公正証書により差し押さえや不動産に根抵当権設定仮登記を付けられるという認識はなかった。強力な弁護士団をバックに、法律に疎い債務者や連帯保証人を法律でがんじがらめにして、法律を使って回収していった。
 これが大島氏自慢の「法律を使ったスマートな取り立て」。だが、法曹業界では、法律を悪用した「司法テロ」と呼ばれる。
 監督官庁は、公正証書作成に白紙委任状をとっておく手法は、重大な貸金業違反だとして、05年11月業務停止命令を発動した。行政も、この手法を問題視。07年12月施行の改正貸金業法で、公正証書と白紙委任状をセットにした回収を禁止した。

トドメを刺したリーマンショック

 利息制限法を超過する利息の返還を求める、過払い金請求訴訟の逆風のなか、トドメの一撃となったのが、米投資銀行リーマン・ブラザーズの破たんだ。07年10月に提出した有価証券報告に、リーマングループからの借入金が734億円と記載されていたため、信用不安に火がついた。慌てたSFCGは、リーマンが破たんした時点の借入金は、返済を進めた結果、53億円に減ったと必死になって資金繰り不安説を打ち消した。しかし、リーマンショックで、外資系金融機関は回収を強めた。貸し剥がし、貸し渋りの勢いはとまらず、結局、資金調達が不可能になってしまったのである。
 SFCGの破たんは、消費者金融やリースなどのノンバンクの資金調達に対する懸念を広げた。なかでも、大手銀行グループを背後にもたない独立系ノンバンクに向けられる目は厳しい。SFCGと同様、経営の自由度を確保すべく、銀行系に属さず、外資系金融機関からの資金調達に依存しているためだ。金融市場が注目している独立系ノンバンク銘柄は3社。総合金融のオリックス、消費者金融のアイフルと武富士である。

【日下淳】

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