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東京レポート

経営陣が総退陣 アパレルの名門レナウンの迷走(2)
東京レポート
2009年4月25日 08:00

アパレルの名門、レナウン(東京都品川区、中村実社長)が揺れている。新体制に移行してからわずか1年。中村社長ら5人の取締役が総退陣を表明した。後任社長に起用する経営企画部長をはじめ、40歳代にバトンタッチとなる。異例なトップ人事は、経営参画を仕掛けてきた投資ファンドに対する捨て身の反撃である。

<百貨店に頼った経営>
 なぜ、レナウンは投資ファンドの標的になるほど凋落したのか。同社の創業は1902(明治35)年という老舗。来日した英国皇太子の御召艦レナウンにあやかり、23(大正12)年に「レナウン」を商標に登録し、後に社名とした。 
 レナウンが世界的なアパレル企業として輝いていたのは80年代までで、特に60年代以降は若い女性向けファッションメーカーとして、レナウンの黄金時代であった。小林亜星作曲によるCMソング「ワンサカ娘」と弘田三枝子歌唱によるテレビCM「レナウン娘」は爆発的な人気を呼び、一世を風靡した。
 だが、バブル崩壊後の90年代に入ると業績低迷が続く。資産売却や人員削減など、出血を止めるリストラに追われた。04年にレナウンとダーバンが経営統合し、レナウンダーバンホールディングス(商号変更して現在のレナウン)を設立した。
 統合後は、渡辺省三会長(旧レナウン社長)=岡康久社長(旧ダーバン社長)体制を敷き、05年に投資ファンドのカレイド・ホールディングス(川島隆明社長)の出資も受け入れ、経営のテコ入れに取り組んできた。
 だが、レナウンは赤字経営から脱することはできなかった。08年3月、渡辺会長、岡社長が退陣。英国子会社アクアスキュータムの社長を務めた中村実氏が社長に昇格し、収益の回復を目指した。
 経営陣一新も効果はなかった。出資していたカレイドは保有株を売却して撤退。カレイドから株を譲り受けたネオラインが、今度は経営参画を仕掛けてきたのである。
 レナウンの凋落をもたらしたのは、百貨店の平場売り主体の販売手法にあった。ユニクロをはじめ専門店が台頭していくなかで、百貨店に頼ったレナウンは百貨店の低迷とともにブランド力低下を招いた。なかでも、若い女性向けのブランドが育たなかったことが致命的だった。
 「アパレルの雄」と賞賛されたレナウンも、百貨店の地盤低下に引きずられて沈んでいったのである。(了)

【日下淳】

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