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鳩山就任会見 報じられない「記者クラブ否定」発言
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2009年5月18日 09:31

 民主党・鳩山新代表は就任会見で、フリージャーナリスト・上杉隆氏の質問に対し「民主党が政権を取ったら記者会見をオープンにする」と明言した。しかし大手マスコミは、このやり取りをほとんど報じていない。「報じられない」といってもいいだろう。これは、小沢氏が3月に会見で発言した内容を受けての問答だったが、一国の総理が「記者クラブ」を無視し、雑誌やフリージャーナリストの会見参加を認めた場合の影響は計り知れない。「記者クラブ」そのものの否定につながるからである。鳩山代表の「会見オープン」発言が、どんな政策よりも重いと感じたのは筆者だけではなかったかもしれない。大手マスコミはぞっとしているだろう。なんとなれば、大手マスコミにとって「記者クラブ制度」は生命線、権力の源泉だからである。

 記者クラブは、継続的な取材・報道を通じて国民の知る権利に応えるため、官邸はもちろん中央官庁、自治体など公的機関ごとに作られた「自主的な組織」である。日本新聞協会加盟社かこれに準ずるメディアの「派遣した記者」によって構成されるため、雑誌はもとより海外メディアやネットニュース、フリージャーナリストなどは会見から排除されている。記者クラブ用の部屋、机・椅子、電気代などが「取材される側」から提供されているため、便宜供与に過ぎないとの批判もある。事実、御用記事ばかり書き飛ばして、役所との馴れ合いを指摘される記者も存在する。そうしたなかで情報を独占し続けてきたからこそ、大手マスコミは肥大化し、真実を隠すことにも痛みを感じなくなったのである。対極にあるべき政治や行政といった権力と同化することで「第4の権力」に成長したといっても過言ではない。

 田中康夫元長野県知事が就任した当時、「脱記者クラブ宣言」を行ない、会見をオープンにして話題になったが、総理大臣が同じことをやった場合は、その時とは比較にならない騒ぎになるだろう。就任会見において、鳩山代表は「政権を取って官邸に入ったら(会見を)オープンにする」「記者クラブ制のなかでは批判もあるだろうが、(会見には)どんな方も入っていただく」とまで述べている。明らかに記者クラブ否定を指向している。ある意味、日本を歪めた元凶のひとつともいえる大手マスコミにとっては、鳩山政権の実現は脅威かもしれない。

【秋月】

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