30日午前、自民党福岡県連の役員会・総務会が開かれ、今月末の任期切れに伴う新役員人事を正式に決定した。任期は6月1日から2011年5月までの2年間。新役員は次のとおり。
会長 新宮松比古(再・県議)
会長代行 吉原太郎(新・県議)
幹事長 藤田陽三(新・県議)
総務会長 佐藤正夫(新・県議)
政調会長 松本國寛(新・県議)
会長に再任された新宮会長は、総務会での就任挨拶で「今度の役員体制は、県議団と国会議員が一致して戦うためのものだ。そのために新たに鳩山、太田両議員を最高顧問にお願いした。来るべき総選挙で11区全部に勝利するために協力をお願いしたい」訴えた。
その新役員5名が記者会見し、新宮会長は「代表代行に吉原県議を置き、議員団一致団結して勝利する体制である。自民党を取り巻く情勢は厳しいが、歯を食いしばって頑張りたい」と述べた。記者団からの「民主党代表などが相次いで福岡入りしているが、自民党としてアピールが足りないのでは」との質問に、新宮会長は「民主党の動きに一喜一憂しない。福岡には鳩山大臣や(派閥の)領袖が地元で活動されている」と政局第一の小沢代表代行の動きを牽制した。また世襲制をめぐる動きについて新宮会長は「世襲よりも小選挙区制が問題」と若者などの政治参加を困難にしている小選挙区制の改正を求めた。一方来年の参院選挙を巡り現職と県議団の「確執」が伝えられているが、参院選候補者については総選挙が修了するまで凍結するという考えを示した。
今回の県連役員体制は、まさにそうそうたる顔ぶれとなった。衆院議員の重鎮からなる「最高顧問」には、新たに鳩山邦夫総務大臣と太田誠一議員が加わった。また新設された会長代行には元県会議長でベテランの吉原太郎氏が就任。特別顧問には県議団会長の藏内勇夫県議が就任。総選挙をにらんだ国会議員と県議の一致団結した布陣である。この体制で当面の総選挙を乗り切っていくことが、新役員に課せられた任務であろう。
07年の会長人事をめぐり、国会議員と県議団のさやあての後遺症が未だ完全に氷解していないと言われる同県連。団結を改めて内外に示す狙いも込められている。
しかし、見方を変えれば、県議団側による次期総選挙をにらんだ衆院議員への圧力の結果ともとれる。また、国会議員側からは、県議団に一方的に主導権を握らせるわけにはいかないが、総選挙への支援ものどから手が出るほど欲しいという事情も産物も透けて見える。そうした両者の思惑と願望が入り混じった新役員人事かもしれない。
遅くとも3ヶ月以内に行なわれる総選挙、新役員体制には厳しく困難な船出でもある。
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