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政界インサイドレポート

麻生首相の「自爆解散」(3)
政界インサイドレポート
2009年6月24日 08:00

都議選で自公過半数でも”総裁リコール”の動き
麻生の”バカヤロー”解散で自民党崩壊に向かう

<都議選前解散が最後のチャンス>

 麻生政権が窮地に立つと、検察が動き、「神風」を吹かす。
 東京地検特捜部の小沢氏の秘書逮捕は、麻生政権崩壊のきっかけになるかと注目された定額給付金法案の採決をめぐる小泉元首相の造反劇の前日であり、”小沢ショック”に喜んだ自民党の反麻生派が大量造反を思いとどまったことから、麻生首相は間一髪、危機を脱し、支持率を盛り返した。
 今回、大阪地検特捜部が郵便不正事件で厚労省の女性局長を逮捕し、民主党議員の関与が報じられ始めたのも、鳩山大臣が辞任した2日後だ。民主党の代表交代で内閣支持率が再び急降下し、それに追い討ちをかけるような鳩山辞任で首相が強い批判を浴びているさなかだった。追い詰められた麻生首相は”夢よもう一度”と縋りつこうとしている。
 実際、疑惑は疑惑で解明する必要があるにしても、政権交代を賭けた「天下分け目」の総選挙を目前に、首相に都合のいいタイミングの捜査が2度も3度も続くと、検察の姿勢に露骨な政治的意図を感じざるを得ない。
 仮に、小沢秘書逮捕を機に検察批判を強める民主党に対し、検察が政権側と手を結んで「政権交代阻止」に動いているとすれば、むしろ、「自民党にとって一か八かの早期解散が総選挙の主導権を得る千載一遇のチャンス」(伊吹派幹部)という見方が出るのは当然だろう。
 古賀誠・選対委員長や久間章生・元防衛相らは6月15日の麻生首相との会談で、「総選挙と都議選のダブル選挙」を提案した。ダブルといっても、同日選挙とは限らない。首相が7月はじめに解散し、検察捜査を総選挙のテコにすることを考えているかどうかを探るためだった。
 しかし、麻生首相は、クビを横に振った。
 「北朝鮮の船舶検査の法案もある」
 東京選出の中堅議員がこういう。
 「総理は検察捜査の神風でこれからまた支持率が上がると甘い見通しを描いている。だからせっかくの民主党批判のカードを都議選乗り切りだけに使って解散を先送りしたい。だが、こんな見え見えの捜査では総選挙の劣勢は変わらない。自民党は少しでも負けを小さくするしかないのに、首相就任直後の昨年10月、小沢秘書逮捕後の今年3月に続いて、また解散から逃げたいだけだ」

~つづく~

 

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