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東国原知事 国政転出騒動への疑問
政治
2009年6月25日 11:36

 自民党・古賀誠選対委員長が東国原宮崎県知事に衆院選出馬を要請、知事が総裁候補になることを条件に国政転出への意欲を示したことで波紋が広がっている。
古賀氏の動きについては党内からも厳しい批判が出ており、凋落する党勢を象徴する擁立劇としか見られていない。海千山千の古賀氏の狙いは「麻生降ろし」にあるのではないかとの憶測さえ呼んでいる。
 
 一方の東国原知事は、国政への転身に前のめり。地方分権実現のためのチャンスだとして、県民の理解を得ることに懸命となっている。昨年秋に中山成彬氏が国土交通相を辞任し衆院選出馬を断念、その後継に取りざたされた時と同じ状況である。このときも国政転出への意欲を強くにじませ、県民の批判を受けている。一連の知事の言葉からは、「知事」では地方分権や政治改革はできないとの結論が見えてくる。汚職事件を受けての知事選で有名になった「宮崎をどげんかせんといかん」は、「澱んだ県政を変える」というメッセージだったのではないか。そして、任期半ばでその知事の思いは達成できたのだろうか。
 
確かに、東国原知事の登場で宮崎県は悪いイメージを払拭した。知事のマスコミへの異常とも思える露出が、同県に大きな経済効果をもたらしてもいる。しかし、知事の県政運営の手腕やその他の実績については報道される機会が少ない。「政治家」としての実力はどれほどのものなのか、人気だけでは判断できまい。
 他県の知事に比べ、大阪府の橋下知事や東国原知事は「著名人・タレント」であったことを武器とし、情報発信にかけては一日の長がある。少し過激なことを言うたびにマスコミは大きく取り上げ、社会問題化してしまう。国の直轄事業に対する負担金の問題で噛み付いた橋下知事の功績は認めざるを得ないが、行き過ぎた発言もしばしばである。意に沿わぬ自治体の首長は「選挙で落選させろ」というのでは独裁と変わらない。二人の知事について、マスコミが持ち上げすぎるとの批判もあながち間違いとはいえないだろう。

 注目される東国原知事が国政への思いを語れば語るほど、「知事の権限はたいしたことはないのか。やっぱり国会議員のほうが偉いのか」と考える人も少なくないだろう。果たしてそうだろうか。知事は政治家としての顔を持つが、行政のトップでもある。都道府県で最大の権力者は知事であり、県政においては国会議員といえども知事の権限にはるかに及ばない。
 宮崎県で改革の実を挙げれば、全国に波及させることも十分可能である。そうして国を変えていくことは、決して不可能ではない。「地方分権!」と叫びながら、永田町に行かなければ実現できないというのでは矛盾している。

 国政転出が「チャンス」だとする東国原知事からは、目指すものが何なのか伝わってこない。権力への階段を登り詰めるためのチャンスだとするなら、有権者は裏切られたことになる。

【頭山 隆】


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