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福岡7区 「朧大橋」 ~公共事業の誘導装置~
政治
2009年8月 4日 08:01

 朧大橋は「まこと橋」とも呼ばれている。「まこと」とは福岡7区で強固な地盤を誇ってきた古賀誠・元自民党幹事長を指す。この橋の建設にはその名前が冠されるほど古賀氏の政治力がものをいったということである。当の古賀氏も先月末の地元の集会で「朧橋が『まこと橋』であれ、有明海の道路が『まこと道路』であれ、なぜ、今それを必要としているのか考えていただきたい」と胸を張った。この橋は古賀氏の政治手法の象徴なのである。ではその手法とはいかなるものなのだろう。

 昨日報じたとおり、朧大橋は八女市側(旧八女郡)と久留米市内を結ぶ橋なのだが、両市内からの道路はほとんど未整備状態。現在も、朧大橋から先の道路は建設工事が行なわれていた。つまり、橋を渡ってしばらく走ると、通行止めになるのである。もともとなかった橋を先に新たに作ってしまえば、橋を利用するための道路が必要になる、という寸法だ。

 朧大橋という巨大モニュメント(古賀氏の政治力の記念碑的存在という意味で)を造ったことで、橋を中心にした道路整備を行なう大義名分が出来上がる。朧大橋は、次なる公共事業を呼び込むための誘導装置であり、そのためには、できる限り立派なものでなければならなかったのである。
 
 過大な公共事業が、さらに巨額な税金投入を生み出すというマジック。それこそが古賀氏の政治手法であり、力の源泉なのである。ひとつのインフラ整備から次々と関連事業を生み出し、税金投入を際限なくつづけることで、建設業者はもとより周辺自治体にも恩恵をもたらす。票と金が集まるわけだ。古賀氏にとっては「無駄な公共事業」など存在しない。すべての公共事業が「有益」なのである。

 古賀氏が「九州一」と豪語する福岡7区のインフラ整備は、すべて税金で進められたものである。しかし、これだけ批判を浴びても、福岡7区の未来のためにはさらなるインフラ整備が必要なのだという。道路や橋は残るだろうが、借金も残る。むしろ、そのつけの重さこそが後世の人々から怨嗟の的になるのではないか。

 1人の政治家の力だけで橋や道路ができるという、いびつな社会構造もまた、今度の総選挙でその是非が問われるのである。

朧大橋

田中賞

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