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東京レポート

サッポロがポッカと提携 注目はダイドードリンコの争奪戦(1)
東京レポート
2009年8月20日 17:46

 清涼飲料業界の再編が始まった。ビール4位のサッポロホールディングス(HD)(株)は8月12日、清涼飲料水中堅の(株)ポッカコーポレーション(愛知県名古屋市)の発行済み株式の約21.65%を取得し、自動販売機事業の強化を進めると発表した。ポッカには明治製菓(株)(明治ホールディングスの子会社)も同じ21.65%を出資しており、サッポロ、明治、ポッカの3社の統合に発展する可能性がある。ビール首位のキリンホールディングス(HD)(株)と同3位のサントリーホールディングス(HD)(株)の経営統合協議に押し出されて、清涼飲料業界の再編が広がるのは必至の状況だ。

<清涼飲料界の巨人コカ・コーラが君臨>
 キリンHDとサントリーHDの統合交渉は、ビール業界よりも清涼飲料業界に与えたインパクトのほうがはるかに大きかった。統合が実現すれば、清涼飲料業界は、コカ・コーラグループとキリン・サントリー連合の2大勢力に集約されるからだ。
 飲料総研によると、缶やビン、ペットボトルなどいわゆる「パッケージ製品」の08年のシェアは、コカ・コーラグループが29.4%と突出。2位のサントリーフーズ(シェア18.3%)と3位のキリンビバレッジ(同11.1%)を大きく引き離している。キリンとサントリーの持ち株会社同士が統合すると、両社のシェアは29.4%となり、コカ・コーラと肩を並べる。
 なお、コカ・コーラグループの牙城は九州・福岡。日本最大のボトラー、コカ・コーラウエスト(旧コカ・コーラウエストホールディングス、福岡市)単独でもキリンビバレッジと同規模だ。
 自動販売機(以下、自販機)の設置台数のシェアでみると、コカ・コーラが約98万台で、シェアは43.9%とダントツ。サントリーフーズの約44万台(シェア26.7%)が続く。キリンHDとサントリーHDが統合すれば、設置台数は約67万台。自販機はコカ・コーラとキリン・サントリー連合で74.0%を占める寡占状態になるのである。

<業界再編の前哨戦>
 時計の針を巻き戻す。2000年代初頭、清涼飲料業界は3つのグループに分かれていた。コカ・コーラグループ、サントリーフーズの2強。それに続くキリンビバレッジ、伊藤園、大塚ビバレジ(大塚製薬グループ)、アサヒ飲料、ダイドードリンコの2番手グループ。最後がカルピス、サッポロ飲料、ポッカコーポレーション、JT(日本たばこ産業)の下位グループ。
 まず再編に動いたのはキリンビバレッジ。03年、ヤクルト本社と自販機部門で提携、自販機ビジネスに本腰を入れた。07年には、アサヒ飲料がカルピスと業界初の自販機事業統合、自販機設置台数は約24万台に急上昇。キリンビバレッジ(約23万台)を抜き、業界4位に浮上した。
 同じ07年には、サントリー、キリンビール、キリンビバレッジの物流・資材調達での協力が決定。これがキリンとサントリーの統合交渉の布石になった。
 清涼飲料業界は寡占化が進み、優勝劣敗が明らか。清涼飲料業界は2強時代に突入するために、4位以下のメーカーは生き残りを賭けて再編に動かざるを得なくなった。

~つづく~

【日下 淳】


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