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ドバイ・ショックがスーパー・ゼネコンを直撃 大成建設と清水建設の統合説が再燃(下)
東京レポート
2009年12月14日 13:00

談合やめて海外へ

 スーパー・ゼネコン5社のなかで、創業家が存在しないのが大成建設だ。戦前は、大倉財閥の大倉土木。戦後の財閥解体に伴い、社員が出資して再興したためだ。求心力となるオーナーがいない分、土木と建築の派閥抗争は根深いものがある。派閥抗争を抑えるために、社長人事はたすき掛け。建築の平島治社長の次は土木の葉山莞治社長、そして現在は建築出身の山内隆司社長だ。
 海外工事に活路を求めたのが葉山氏である。「土木の葉山」として知られ、談合のチャンピオンだ。93~94年のゼネコン汚職で中央談合組織は解散したが、談合組織の次の総元締めに内定していたのが葉山氏。談合屋は会社に累が及ばないように、副社長にとどまるのが慣例であったが、葉山氏は01年に大成建設の社長に就任した。もはや談合の時代ではないとして葉山氏が力を入れたのが海外事業。その象徴が、ドバイでのプロジェクトだったのである。
 この結果、建設売上高に占める海外比率は2割に迫る勢いとなった。だが、ドバイ・バブルが弾けた。金融危機がドバイ経済を襲い、資金不足から工事ストップが発生。大成が建設していた超高層の3連タワー「ゲートウェイタワー」も14階部分までで凍結した。
 海外工事の赤字が原因で、09年3月期は7期ぶりに244億円の最終赤字に転落。海外事業に活路を見い出した葉山氏は、経営責任をとり引責辞任した。

みずほCBが統合仕掛け人

 海外事業で痛手を負った大成建設は、海外もダメ、国内も期待できないという八方塞がりの状況のなかで、再編の目玉になるという観測が浮上した。
 「みずほコーポレート銀行(CB)が、清水建設に大成建設の救済を依頼した」
 今年春先から、ゼネコン業界でこんな話が語られるようになった。大成の苦境を救済するために、メインバンクのみずほCBが、清水に統合を働きかけたというものだ。国土交通省はウェルカム。年々公共事業が削減されていくなかでは、統合が進み、適正規模まで減ることは大歓迎なのだ。
 だが、合併や統合というシークレットの話が事前に漏れるようでは、話は壊れる。清水建設首脳の「銀行が違う」の一言で、統合説は消えた。今でこそみずほCBがメインだが、もともと清水は旧第一勧業銀行、大成は旧富士銀行がメインだ。統合を進めたいみずほとて、旧行間の派閥抗争が激しく、一枚岩ではない。
 大成が最も懸念されるのは、倒産確率のリスクを取引するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場への波及だ。今年3月には、企業としての信用のなさを示すプレミアムが1500ベーシスポイント(15%)台まで急騰した。その後は落ちていたが、ドバイ・ショック後再び390(12月9日現在)まで上昇。危険ラインの400(4%)寸前だ。
 ドバイ・ショックの決算への悪影響が懸念されれば、CDSの値は再び跳ね上がる。それとともに、大成建設と清水建設の統合説が再燃することになる。

(了)

【日下 淳】


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