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【住宅関連情報】09年新設住宅着工戸数、45年ぶりに80万戸割れ(2)
特別取材
2010年2月 3日 07:50

◇積水ハウスが8期ぶりに赤字転落

 このような住宅建設厳寒期のなかで、積水ハウス(株)が1月20日、8期ぶりの赤字転落を発表した。
 同社に発表によると、2010(平成22)年1月期の連結最終損益予測は、315億円の赤字(前期は115億円の黒字)。戸建て住宅販売は回復したとしているものの、売上高は前期比9.5%減の1兆3,700億円となるうえに、地価下落で都市開発用不動産やマンション事業用地などの販売用不動産評価損を約650億円計上することが響くとしており、当初予想の60億円よりもさらに赤字幅は大きくなる。

 東京都内などに保有する不動産の評価損を売上原価に計上するため、営業段階から410億円の赤字となる。
 配当は年20円を予定していたが、10円の期末配当を取り止め、年10円とする。また、2011年1月期は通常配当を年16円としたうえで、創立50周年の記念配当5円を加えて年21円配当にするという。
 これで「ウミ」を出し切ったとして株価は800円台を維持しているが、地価の下落は続いており、再評価損を出す可能性も残っている。
 
 都市開発事業では、東京・赤坂ガーデンシティや六本木の東京ミッドタウンでの成功に気をよくして、さらに大規模開発案件用地を強気で買い進めてきた。
 台場ガーデンシティ(東京)、本町ガーデンシティ(大阪・旧イトマン本社跡地)、本町南ガーデンシティ(大阪・旧鴻池組本社ビル跡地)、御殿山プロジェクト(東京・旧ソニー本社跡地)、梅田北ヤード再開発(大阪)などに巨額の投資を行なった。
 他にも、名古屋や札幌などでの開発案件もあったとされているが、同社の成功を見た大和ハウス工業などが都市開発事業に参入したことで、開発案件は目白押し。激化するテナント獲得競争のなかテナント料金などの引き下げ合戦も起きており、事業収益が目論見通りに確保できないのではないかとの危惧も大きい。

◇住友林業も今期純利益を10億円に下方修正

 住友林業は2010年3月期の連結業績予想に関し、営業利益は従来の60億円予想から65億円に引き上げたが、純利益は25億円の予想から10億円に下方修正した。
 経費削減効果で営業利益は上振れするものの、子会社の建材製造設備の減損や投資有価証券の評価損計上、法人税の増加などが見込まれることから、純利益は縮小すると言う。売上高は7,400億円に据え置いた。

 電機や自動車関連などの外需産業が軒並み上方修正するなかで、建設・住宅など内需関連企業は下方修正が相次ぐ。

◇米国の09年新設住宅着工戸数、前年比38.8%減の55万3,800戸

 この数字は、統計上比較可能な1959年以降の最低水準を記録。4年連続の減少であり、05年の4分の1近い数字となっている。
 アメリカのGNPの70%近くは個人消費支出が占めており、なかでも住宅と自動車の比重が大きい。このことからも、アメリカの景気回復が程遠いことが判る。日本の木造住宅も米材の占めるウエイトが高いため、今年も木材市況の回復は難しく、円高も含めて木材価格が下がることで、輸入業者や加工業者は在庫の評価損に悩まされる年になりそうだ。
 一方で、国民の年収が対前年比6.7%も下がり、需要が盛り上がらない住宅業界にとって、住宅価格の引き下げも可能となったことは「朗報」と言えるかもしれない。


 新設住宅着工戸数激減でも元気のある住宅業者は存在する。次回からは元気の良い企業を個別に紹介していく。

【鳥瞰図】


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