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無効票に込められた想い~参議院議員選挙・後日譚
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2010年7月21日 08:00

 前回の参議院議員選挙で、投・開票が終わった今、「投票の仕方が分かりづらかった」との声をよく耳にする。比例代表の投票法に向けてのものだ。
 選挙中、比例代表の立候補者は「2枚目には私の名前を書いて下さい」と連呼していた。参議院選挙の比例代表では、政党名と立候補者名のどちらの記入でもいい。だが、立候補者は自分の名前が書かれた票数によって、党の比例代表で当選する序列が決まるため、自分の支持者には2枚目に自分の名前を書いてもらわなければいけない。その仕組みを分からずに投票した人は少なくはない。これは有権者への取材のなかで得た実感である。

 熊本市内に住む60代の女性Aさんは、「2枚目にBさんの名前を書いた」という。しかし、そのB氏は選挙区の立候補者のため、無効票になる。Aさんは、2カ月前に病をし、1カ月ほど入院していた。幾分か具合が良くなり退院したものの、まだ足の痛みが続いていた。それでも「選挙には必ず行かんと!」と痛い足を引きずり、投票所へ行った。
 一方、同選挙で開票の立会人を務めた知人によると、字が読みづらく無効になったものも多いという。「震えた筆跡の票があった。おそらくはB候補者ではないだろうか」。知人はそう判断したが、別の立会人は「無効」と判断した。その票に込められた想いは国政へ届かなかった。

 投票所に貼り出されていた比例代表候補者名が字の小さいことに気付いた人も多いだろう。福岡県選挙管理委員会によると、「比例代表区は中央選挙管理会の管轄であるため、勝手に用紙を拡大するなどの措置が取れない」という。立候補者が多いため用紙に収めるためには小さくせざるを得ないのだろうが、"すべての有権者"のことを考えれば不親切としか言いようがない。
大型広報車 選挙期間中、「7月11日は投票日」と、盛んに広報活動が行なわれていた。以前、Net-IBでも報じられたが、巨大な宣伝車も登場し話題になった。その一方で、比例代表の投票方法についての周知徹底は、新聞広告、チラシ配布、投票所での呼びかけが主で、それが効果的であったのかどうかという検証はなされていない。
 投票数ばかりが多ければいいという問題ではないだろう。投票所へ足を運んだ有権者の一票に対する配慮にも考察すべき余地があるのではないだろうか。

 今回の比例代表選挙における無効票は5万9,749票(2.60%)。福岡県の自治体で言えば、朝倉市の総人口5万8,302人に近い数である。それだけの数の無効票が意味するものは何なのか。選挙ごとに考える必要があるように感じる。

【山下 康太】


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