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実態が見えない報告書~あなたの知らない県議会(9)
政治
2010年8月27日 12:19

 福岡県議会の政務調査費において、厳密な監査を行なう上で支障をきたす収支報告書の提出要領がある。それは、収支報告書を提出する際、領収書にある個人情報を議員(会派)の判断で墨塗りをするやり方だ。

 県議会の「政務調査費に関する事務処理要領」には、県情報公開条例第7条第1項関係として「領収書等の写しに個人情報等の非開示情報が記載されている場合は、会派においてマスキングの上、提出すること」とある。ただし実際は、提出後に会派がまとめて墨塗りをするか、議員個人の判断で墨塗りしてから提出するかは各会派の判断によるとしている。
 各会派に確認したところ、ほとんどの会派で、提出の際、議員個人の判断で墨塗りしていることが判明した。収支報告書のチェックは議会事務局総務課が行なう。その時点でも、すでに墨塗りされた状態になっていることになる。

 福岡市民オンブズマンの児嶋代表は、「同様の提出要領を行なっているのは、全国の地方議会で大阪府、福岡県、岡山市のみ。情報開示請求の際にも、個人情報は墨塗りされる。現状では、疑念を抱く収支報告書(領収書)に対し監査請求をかけても元の書類がすでに塗られた状態では、事実を知ることができない」と問題点を指摘する。

 とくに問題なのは、秘書給与などの人件費だ。多くの収支報告書には、議員宛の手書きの領収書が貼られている。しかし、受け取った側の部分は墨塗りされており、提出した議員以外には誰が受け取っているのかを知ることができない。カラの領収書であっても、第三者はおろか県議会議長でも、収支報告書をもとにチェックすることは不可能なのである。

 また、提出する県議からは「収支報告書の作成でかなりの時間が割かれる。何のために議員になったのやら...」というボヤキも。言わば"悪意なき隠ぺい工作"を強要され、時間を割かれる現実に嫌気を覚えている議員も少なくはない。
 税金から支出される以上、政務調査費は正しく使われるべきであり、収支報告の内容は明確にしておくべきである。効率的かつ透明性を損なわない提出要領を検討すべきではなかろうか。

黒塗りされた領収書(人件費)

黒塗りされた領収書(人件費)

(※クリックで拡大)

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2011年7月27日 18:05
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