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幻のコンベンションセンター(下)~吉田市政・最終検証シリーズ(2)
政治
2010年9月18日 08:00

 福岡市のコンベンションセンターに対する態度は、準備会議参加者を見ても歴然としている。実務者たちの集まりとはいえ、福岡市を代表する会議参加者が土地売却を専門とする局長。会議参加者の誰もが「福岡市は何を考えているのだ」という気持ちになったという。当然、吉田市長の指導力に対して疑問符がつけられた。しかも、その直後に福岡市は隠密行動を働いたのである。

人工島の広大な土地 高価な土地購入を前提とする人工島案が行き詰ることを見越したように、福岡市のある局長は須崎埠頭へのコンベンションセンター誘致の根回しを密かに始めた。須崎埠頭といえば、港湾指定地区。港湾関係事業以外の建築は認められない。山崎広太郎前市長がオリンピック誘致を強引に進めたのは、背後に須崎地区の港湾指定を解除し、開発を進める狙いがあったというのは周知の事実。吉田市長はこの山崎前市長の手法を批判して市長となったのではなかったのか。それがコンベンションセンターを須崎に誘致しようと動くとは!

 九電工の橋田社長と吉田市長は、ともに慶大OB。山崎前市長の背後にあって須崎開発をささやいた榎本福岡地所会長も慶大OB。福岡市が須崎へと動いた水面下にはこの慶応人脈があるという噂が流れた。案外、人工島案をネグレクトしながら須崎案に差し替えようとしたのは吉田市長本人ではないかという疑念さえ生じてきた。局長や自民党市会議員などを説得できない指導力の欠如が指摘される反面、委員会で須崎案を提起するのではなく、局長を動かして個別に有力メンバーに打診するしたたかで卑劣な行為に福岡県が激怒した。

 昨年、朝日新聞に特ダネとして報道されたコンベンションセンター北九州市案は、福岡市が協力しないなら、北九州市に持っていくこともできるのだという福岡県=麻生知事の恫喝であったといってよい。福岡空港の将来をめぐるプランの相違、現空港拡張案の福岡県と、あくまで移転にこだわる福岡市との対立は有名だが、このコンベンションセンター建設をめぐっても非和解的対立が顕在化してしまったのだ。

 これらのすべて原因は、吉田市長の『お任せスタイル』にあるといえよう。お友達から吹き込まれればそれも良し、官僚から具申があればそれもまた良し、国から圧力があればそれにも従う。対立が惹起(じゃっき)されるのは当然のことである。対立を止揚し、方向性を打ち出すべき立場にある首長として、まことに情けないかぎりである。

【勢野 進】


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