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特別取材

"福岡維新"真のスタート アビスパ福岡J1昇格をかく語る(1)
特別取材
2011年1月31日 07:00

アビスパ福岡(株) 代表取締役社長 大塚唯史氏インタビュー

 念願のJリーグディビジョン1(以下J1)へ再び参戦─今期2011年シーズンJ1へ再昇格を果たしたアビスパ福岡(株)。現場の選手・スタッフおよびサポーター・ファンの一丸となったチームビルディングがその成果をもたらしたことは言うまでもない。一方で、10年3月に就任した大塚唯史社長と下田功専務、田中耕常務の3人でフロント再構築を行なった功績は多大である。なぜなら大塚社長以下、フロントスタッフもJ1昇格のため、そしてアビスパ福岡がさらなる地域クラブとして市民とファンに愛されるために、汗と涙を流したからだ。昨シーズンのレビューと今期に賭ける意気込みを、大塚社長に語っていただいた。

(聞き手:弊社代表 児玉 直)

<J1昇格、現有戦力が基本>

 ─J1昇格おめでとうございます。クラブ一丸となった戦いぶりが印象的でした。J1へ再び参戦するにあたって、戦力アップについてはどのようにお考えですか。

アビスパ福岡(株) 代表取締役社長 大塚唯史氏 大塚 ありがとうございます。編成に関しては、基本(ゼロ提示=戦力外通告選手を除く)昨シーズンの選手やスタッフで今期も戦うというスタンスです。選手側も年棒の要求をしてきます。生活がかかっていますから当然です。
 一方で、こちら側も経営がありますから、それらに使える原資に限りはあります。過去、湯水のごとく使っていた資金が、今の経営状態(10年1月期現在累計損失2億6,777万円)となっていることは事実です。キチンと査定し評価したうえで、年棒の金額提示をして双方合意できるようにするのが、我々フロントの仕事です。もし条件面で合意できなければ、他クラブへの移籍もあります。そのときは、その選手を責めることはできません。何度も申しますが、選手にも生活がかかっております。我々フロントの力量が不足していたということで、「何であの選手を出したのだ」と、我々が責められればいいのです。
 サッカーには、プロ野球のようにトレードがありません。それを防ぐ1つの策として、複数年契約があります。また、移籍の際は、移籍先に元所属クラブの言い値─たとえば「○○選手の移籍には1億円の移籍金が必要」と表明すれば1億円なのです。移籍金のルールが現在定められておりませんから、資金力のあるクラブに有力選手が偏っているのが現状ではないでしょうか。J1で平均30億円、J2で10億円がクラブ運営予算です。しかしながらJ2の場合は、J1降格してきたクラブが20億円前後の予算を持つクラブですから、J2すべてのクラブが10億円の予算があるとは言えません。むしろ、10億円以下のクラブも多数存在しています。
 では、いくらあればJ1へ昇格できるのかという金額の裏づけは、存在しません。なぜなら、アビスパは09年シーズンと比較して、10年シーズンは予算を削減して挑みました。その結果11位から3位です。よって、豊富な資金力をバックボーンにした親会社のあるクラブでない一地方のクラブとして、山形(モンテディオ山形)、甲府(ヴァンフォーレ甲府)のように工夫してクラブ運営をしていかなければならないのです。ここで我々地方クラブが踏ん張って手本を示していくことが、Jリーグを盛り上げることになるでしょう。
 J1で生き残るには、前述した現有戦力で戦っていくのが基本ですが、不足している戦力は当然補強していきます。しかし、年棒数千万円クラスでなく、若手の補強です。それでチャレンジしてJ1でひと暴れしたいです。当然、戦うからには優勝が目標ですが、シーズン34試合。10勝10分け20敗で勝ち点40が最低の目標です。そして、ホームゲームではすべて勝つことです。

(つづく)

【文・構成:河原 清明】

<プロフィール>
大塚 唯史(おおつか ただし)大塚 唯史(おおつか ただし)
1961年、神奈川県川崎市出身。上智大学卒業後、電通関連の広告代理店などを経て、95年より電通九州に勤めてきた。03年、プロ野球の福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)の優勝パレード運営に参加。アビスパの公式記録員や女子サッカーなでしこリーグ1部、福岡J・アンクラスの運営責任者などもボランティアで務める。09年、電通九州大分支社長に就任。10年、アビスパ福岡代表取締役社長に就任。

アビスパ福岡(株)
所在地:福岡市東区香椎浜ふ頭1-2-17
設 立:1994年9月
資本金:1億2,599万円
売上高:(10/1)10億614万円
URL:http://www.avispa.co.jp/


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