アビスパ福岡（株）　代表取締役社長　大塚唯史氏インタビュー

＜福岡への地域貢献を＞

　─具体的に、新たな資金的サポートはいかがですか。

　大塚　後援会の会員（1人1万円）を増加させることと、七社会に依存型から脱却して自力での資金獲得を目指します。
　１つは、チケットの大人料金の値上げとシーズンチケット（アビスパシート／年間９万8,000円）の営業促進を実施することです。ここが一番空席が目立っていましたので、このシート販売を強化してまいります。
　さらに、ファンクラブに入会していただければ、チケット料金もお買い得ですので、ファンクラブメンバーの会員増大を実施していきます。

　─サッカー通であるレベルファイブのサポートはありますか。

　大塚　レベルファイブさんは、スタジアムのネーミングライツ（施設命名権）の部分で福岡市との契約関係が継続しておりますので、弊社への直接なサポートは今のところありませんが、応援はしていただいております。今後レベルファイブと言えば、"イナズマイレブン"―これが、小・中学生の子どもに絶大な人気を誇っております。"イナズマイレブン"との連携で、スタジアムを盛り上げる施策は計画して実施できるかもしれません。
　10年シーズンを戦って、福岡の「諦めない」という熱とポテンシャルは、どこにも劣らない力を感じました。しかしながら、福岡市だけで150万人弱の生活者がいるうちの１％の動員もできておらず、平均来場者数が8,800人であったことを、我々クラブ側は反省しなければなりません。また、単に広告というよりも、「福岡への地域貢献」という切り口でご支援いただくように、働きかけていかなければなりません。
　もちろん、クラブを存続させることが、至上命令であることには変わりありません。

【文・構成：河原　清明】

＜プロフィール＞
大塚　唯史（おおつか　ただし）
1961年、神奈川県川崎市出身。上智大学卒業後、電通関連の広告代理店などを経て、95年より電通九州に勤めてきた。03年、プロ野球の福岡ダイエーホークス（現・福岡ソフトバンクホークス）の優勝パレード運営に参加。アビスパの公式記録員や女子サッカーなでしこリーグ１部、福岡Ｊ・アンクラスの運営責任者などもボランティアで務める。09年、電通九州大分支社長に就任。10年、アビスパ福岡代表取締役社長に就任。

アビスパ福岡（株）
所在地：福岡市東区香椎浜ふ頭1-2-17
設　立：1994年９月
資本金：１億2,599万円
売上高：（10/１）10億614万円
URL：http://www.avispa.co.jp/

*記事へのご意見はこちら