<大型クルーズ船も来航を予定・つづき>
――良い兆しは見えてきているのですね。ボイジャーとはどのような船ですか。
松本 全長311m、定員3,114名の日本に寄港する客船としては最大級のクルーズ船です。実際の乗客数は客室の関係もありますから、3,000人くらいになると考えています。
――3,000人とは、すごい数です。
松本 乗り降りにかかる時間だけでも2時間程度になるようです。よりスムーズな手続きや人の誘導を考えなくてはなりません。人の数もそうですが、船の大きさについても対応の必要があります。311mというと岸壁からはみ出してしまいますから、対応として9月議会において係船杭(船をつなぎとめておくための杭)を1カ所、新設する補正を行ない、ボイジャーが寄港を予定している来年6月までの完成を目指して取り組んでまいります。
――クルーズ船を他のふ頭で分担して対応することはできないのですか。
松本 それをするためにはC I Q (税関・入国管理・検疫)のための設備、システムが必要になります。したがって、今後の景気や状況によっては他の選択肢もありえると思いますが、現状ではすべてがそろっている中央ふ頭の国際ターミナルで乗降してもらうのが一番良いと思います。
――クルーズ船の来福によって、新たな人の流れが生まれ、経済にも良い影響を与えてくれるといいですね。
松本 クルーズ船を運航している会社の方にうかがったのですが、海外の方が福岡に期待しているのは主にショッピングだそうです。この分野は港湾局の範ちゅうではないのですが、例えば商店街や商業施設にお願いして外国語表記をより積極的にしてもらうなど、外国人に優しいまちづくりというのも満足感を高めるためには必要なのではないかと思います。今でも局の壁を越えて連携を取りながら福岡市の発展のための施策を展開していますが、この関係を継続しつつ、より建設的に発展していくことも重要と考えています。
――鹿児島や熊本に観光に行き、福岡でお土産を買ってもらうというように、より九州のなかでの役割分担がはっきりしていくでしょうね。
<揺れ動くアイランドシティの将来>
――長年の懸案事項、アイランドシティについてお聞きします。高島市長のもと、アイランドシティ・未来フォーラムが活動を始めましたね。フォーラムで活用のためのアイデアを募り、長年のもやもやに一定のメドをつけようという位置づけだと受け取っています。
松本 アイランドシティ整備事業は、長期にわたり港湾機能の強化や先進的なまちづくりを進めていく大規模な事業です。アイランドシティは現在、09年12月に策定した事業計画にしたがって開発している部分と、これから土地の利用を考えていかなくてはいけない部分があります。私たちはこの事業計画にしたがって今できることを進めていっている段階です。今年の12月にはフォーラムからの提言もなされることになっています。各界の方々からの幅広いご意見を頂戴できることはありがたいと感じています。
――おっしゃるとおり、幅広い意見を収集したいという意図は理解できますが、取りとめのないアイデアの集合体が結論として出されることへの心配もあります。市長が、たとえば環境への最先端施策へのアイデアがほしいなど、具体的な目標を提示してくれた方が事業化への近道のように感じます。
松本 今はさまざまなご意見をいただきたいということだと思います。皆さまからのアイデア、ご意見を踏まえて、街の魅力づくりの方策や、企業の立地促進策について、行政として検討をしていくことになると思います。私たち港湾局は事業計画にしたがい開発を進めることと、すでに住んでいる方々の居住性をより良くすること、これから住まわれる方、事業者の方の満足を高めるにはどうしたらよいかを考えることが重要と思っております。
――今の住民の方々の考えも非常に重要ですし、今後、入居されるかも知れない方たちの望むこと、アイランドシティ全体の未来の位置づけ、これらの指向は必ずしも一致しないかも知れないですね。ここの調整が難しいと思います。アイランドシティは、うまく活用すれば福岡の大きな財産になりうるビッグプロジェクトだと思います。宝の島にしていただくためにも松本局長の手腕に期待しております。本日はご多忙のなか、ありがとうございました。
<プロフィール>
松本 友行 (まつもと ともゆき)氏
1955年生まれ、鹿児島大学卒業後、福岡市役所に勤務。経済振興局長を経て2011年7月に港湾局長就任。趣味は、レザークラフト、山歩き(今後)。
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