10月14日、西日本総合展示場で開催された「エコテクノ2010」において、第４回九州環境ビジネス大賞の授賞式および事例発表会が行なわれた。大賞に選ばれたのは熊本市に本社を置く（株）エコファクトリー（本社：熊本市水前寺、村上尊宣代表）の輻射式冷暖房システム「エコウィン」。授賞式では表彰状と盾の授与のほか、「エコウィン」のプレゼンテーションが行なわれた。

　エコウィンは、遠赤外線（光）の原理を応用した輻射式冷暖房システム。直径６cmのアルミニウム製の管・ハイブリッドサーモエレメントに冷水や温水を通すことで放射される遠赤外線によって、冷暖房を行なう仕組みになっている。エアコンと比較して30％の省エネを実現しているほか、従来品のラジエーターと比較しても大幅な省エネ性能の向上がみられる。また、子どもが集う幼稚園や精密機械工場におけるクリーンルームでの採用実績は、同製品の高い安全性や安定性を物語っていると言えよう。

　官公庁からの評価も非常に高く、今回の九州環境ビジネス大賞をはじめ、第４回エコプロダクツ大賞エコプロダクツ部門（国土交通大臣賞）や第６回同大賞エコサービス部門（農林水産大臣賞）、第３回ものづくり日本大賞優秀賞などを次々と受賞した実績をもつ。とくにエコプロダクツ大賞は、トヨタの「プリウス」が受賞したことでも知られる実績ある賞だ。受賞企業の大半を大企業が占めるなか、同社の健闘ぶりが光る。

　とすれば、次に求められるのは企画提案力ではないだろうか。優れた商品を有するとはいえ、そこは中小企業。大企業と異なり、固定化された巨大な販売網や潤沢な販促資金があるわけではない。自社商品を、何処でどのように活用するかを提案する能力がその先の販売力を左右することになる。この点につき同社は、グループに抱える建築設計事務所（（有）ロクス）を活用し、様々な場所での「エコウィン」の活用法を建築設計の段階から提案しているとのこと。静音性やデザイン性といった商品の特徴を活かした活用図面（パースなど）は見た目にも楽しく、多くの場所での利用が期待できそうだ。
　
　同社の村上代表は、「今回の受賞を励みに、地球環境問題に省エネ分野で貢献していきたい」と、語る。中国への進出も秒読み段階に入っているといい、日本を代表するエコプロダクトとなりうるのか、熊本の中小企業の動きに熱い視線が注がれている。

＜COMPANY INFORMATION＞
■（株）エコファクトリー
代　表：村上　尊宣
所在地：熊本市水前寺二丁目17番7号
資本金：3150万円
ＴＥＬ：096-381-7033
ＵＲＬ：http://www.ecofactory.jp/

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