新日本製鐵は5日、保有する株式の評価損の影響を受けて、2011年4月~12月期連結決算(第三四半期)で846億円の特別損失が発生したと発表した。その大きな原因は、株の持ち合いをしている住友金属工業の株価が昨年12月末で帳簿価格の半分以下に下落したことによる。
新日鐵は12年3月期(通期)の業績見通しは、売上高4兆2,000億円、営業利益1,300億円、経常利益1,800億円。純利益は850億円の黒字を見込んでいたが、今回の特別損失が純利益とほぼ同額。
新日鐵は住友金属の株式を約4億5,000万株持ち、全体の9.4%を占める大株主になっている。日経平均株価が12月末より下落すると、更に保有株式の評価損が発生。特に住友金属の株価が期末の3月30日(金)に140円以下で推移した場合、特別損失が膨らむことになり赤字に転落する恐れも出てくる。
通期業績への影響については今月27日に発表するとしているが、欧州の政府債務危機・タイの洪水や歴史的な円高による輸出採算の悪化もあり、大幅な下方修正は避けられないのではとの見方も出ている。
両社は今年10月に経営統合し「新日鐵住金」として発足し、粗鋼生産量世界第二位グループに躍進するメリットはあるが、実質的には新日鐵による住金の救済合併の色彩が強い。合併効果を早期に実現するためには、なりふり構わず人員の削減や工場閉鎖などの思い切った経営合理化を前倒しで実施せざるを得ない状況にある。新日鐵八幡製鐵所と住金小倉製鉄所を抱える北九州市にとって、目が離せない1年となる。

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