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薄熙来共産党重慶市委員会書記、政治生命を絶つか~重慶事件(中国経済新聞より)
コダマの核心
2012年2月23日 16:00

<ファンが多かった薄熙来書記>
 現在も活動している福岡大連未来委員会の初期、1995年から98年まで、大連に行けば、薄熙来書記がよくもてなしをしてくれた。当時、大連市長として都市緑化に注力しており、感覚に富んだ政治家という印象を受けていた。その後、大連市から遼寧省の書記にトントン拍子に出世し、重慶市の書記へと転出した。そのころ重慶市は、中国で4番目の特別市(北京、上海、天津)に昇格した。だから決して左遷ではない。この地で実績を積めば中央政府、共産党中枢部へ攻め上がるチャンスが存分にあるポストであったのだ。福岡、北九州の経営者たちには薄氏のファンが多く、同氏の出世を喜んでいたものである。

<片腕と激突>
0223_c_k_s.jpg 中国政府は『内陸部の経済発展』プロジェクトを推進し始めた。その中核都市は西安、重慶などである。だから薄氏としても経済発展の実績を残してもあまり自慢にはならない。そこで考えついたのが、重慶市の"黒社会を打ち破る運動"である。「共産主義を掲げて黒社会を打ち破る」公安統治で実績をあげようとしたのだ。そのためには辣腕の片腕が必要となる。そのハマり役が遼寧省時代の部下であった王立軍氏であった。

 王氏は遼寧省鉄嶺市の派出所の所長を務め、3年の任期中に1,600名の犯罪者を逮捕したという。2009年に薄氏の要請で重慶市の公安局長に昇進。この抜擢に応えて500あまりの暴力組織を排除し、5,000人余りを逮捕した。この王氏に対して暴力組織は500万元(約6,250万円)の懸賞金をだして命を狙わせていたそうだ。実際に王氏は、身体に刃傷、骨折など20カ所以上の傷を負っているといわれている。

 命を張って親分・薄氏のために任務を遂行してきた王氏だが、2月6日、重慶市の隣にある成都市米国領事館に逃げ込んだ。この米国領事館周囲には薄氏の部下である公安警察が幾重に取り囲み「王の身柄を渡せ」と迫った。中国政府は素早く動いた。高級官僚が北京へ王氏を連れ戻したという。(重慶事件)
どうして信頼関係が厚い薄・王両氏に溝ができたのだろうか――。王氏は薄夫妻の不正を告発したのである。中央政府の取り調べにはすべてを吐いているだろう。

 聞くところによると王氏は、『薄夫妻が莫大な財産を不正に海外に移している』ことに我慢ができなかった(夫人の薄開来氏(旧姓・谷)は再婚相手で、筆者は16年前、大連で会ったことがある)。王氏としてみれば『命を狙われるリスクを背負いつつ黒社会を撲滅してきたのに親分だけは欲得(資産肥し)ばかりをして』と、恨みを抱き始めたのであろう。中国歴史小説にはよくある光景だ。現代中国にも現存しているのである。

 薄氏の政治生命もこれで断ち切られよう!!しかし、その裏側では中国共産党の冷酷な派閥闘争が垣間見られる。重慶事件の経緯・内容については、徐静波氏が発行兼編集者を務める「中国経済新聞」を参考にした。同新聞を読めば、日本のメディアでは報じられない中国の実情を知ることができる。購読をお奨めする。申し込み先は、TEL:03-5413-7010だ。


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