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脱原発・新エネルギー

風力発電が日本を変える~ウィンドレンズ高田佐太一氏インタビュー(前)
脱原発・新エネルギー
2012年3月12日 16:02

 太陽光発電につづき実用的な再生可能エネルギーとして注目を集める風力発電。そして、小型で優れた効率を誇る風レンズ風車を扱う企業が、ここ福岡にある。九州大学で開発され、シーサイドももち(福岡市早良区)には福岡市との共同研究のため3基が設置される風レンズ風車。その製造・販売などを手がけるウィンドレンズ株式会社の高田佐太一社長に話を聞いた。

 ――今年の7月から電力の全量買い取り制度がスタートします。

 高田佐太一社長(以下、高田) 買取制度のお陰で大型風車も含めて活性化していくと思います。しかし、最近では大型風車が騒音などの反対運動で、建設困難となり小型で低コストの風車を数多く設置するという傾向が出てきています。そういう流れは、さらに強くなるとも考えています。

 ――大型風車の問題点はどこにありますか。

0312_syatyou.jpg 高田 大容量で一気に電力問題の助けとなりますが、大容量電力ラインが整った強風地帯が稀有であるという土地の問題です。住民運動は、騒音、電波障害、鳥が風車に激突してしまう、バードストライク、低周波、景観とにぎやかです。しかし、小型の場合、騒音はかなり解決しているので、住宅地などでも建てることができます。風レンズ風車の場合は、それに加えて騒音、台風、バードストライクなどの諸問題も解決できています。

 ――では、風レンズ風車で問題点はほとんど解決されているというわけですね。

 高田 あえてあげるなら、景観の問題でしょう。馴染んでいる景色が破壊されたと思ってしまう人も現実としています。人工物ですからある程度は仕方ないですが、例えば瀬戸大橋が観光名物になったように、ああいったレベルにまで昇華させれば良いと思います。ドイツでは風力がかなり進んでいますが、景観というところでは同じように悩んでいるようです。

 ――この先はどのような発展をイメージしていますか。

 高田 この先、再生可能エネルギーが化石燃料などと替わって求められる時代が来ると思います。自然エネルギーは大規模化しないで分散型で吸収したほうが合理的だと考えています。その時に備えて、技術の修練を今の段階から積んでいかねばなりません。できるだけ商品になる範囲で技術のブラッシュアップをかけていくという考え方で開発しています。

 ――大型風車と小型風車の設備容量はどのくらいありますか。

0312_fusya.jpg 高田 比較にならないほど大型風車のほうが上です。大型は1基で1500kWとか2000kWですが、小型では5kWが良いところです。しかし、大型は1基でも億単位の費用がかかりますし、メンテナンスも大変です。ですから、売り先も自ずと大手に限定されてしまいます。反面、小型の場合は、発電容量が大型には敵わないものの、小さい投資で導入できるというメリットがあります。ちなみに、現在、風レンズ風車が動いている台数は、中国やイギリスも含めて60台くらいです。九大が特許を所得してから8年くらいが経ちますが、まだそのくらいの規模です。しかし、kW単価が50万とか60万くらいになって以降、上り坂になってきたと感じています。最近では、個人の一歩手前として、建設会社さんが導入して、個人住宅に建てられないか検討されているようです。

(つづく)
【清水 秀生】

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