ソフトバンクの孫正義社長がまたしてもとんでもない構想をぶち上げている。その名を「アジア・スーパー・グリッド構想」という。グリッドとは送配電網のこと。中国や韓国、ロシア、モンゴル、そして島国の日本の電線を結び、日本が海外の安い電力を輸入するというアイデアである。「正気の沙汰か」と電力業界やそれと一体化した経産省・資源エネルギー庁からは冷ややかに見られており、実現のハードルはそうとう高そうだが、エネルギー論議に一石を投じるユニークなアイデアではある。
ソフトバンクの試算によると、東京の電力料金は1キロワットアワーあたり20セントで、これはソウルの同6セント、北京や上海の1・2セントなどと比べて、アジア近隣各国のなかでは際だって高い。今後原子力発電所の新増設が不可能になり、当面火力発電所に頼らざるを得ない点を考えると、調達価格が高い原油やLNGガスに頼らざるを得なくなるため、電力料金はより高くなるだろう。そうなると、諸外国と比して高額な電気料金は輸出産業の競争力を奪いかねない。
原発事故以降、再生エネルギーの伝道者と化した孫氏だが、いざ太陽光や風力など再生可能エネルギーの実用化に取り組んでみると、そう簡単ではないことがわかってきた。資源エネルギー庁が2030年の原子力の電源構成比を0%~35%まで5つの選択肢を示して電源構成を想定したところ、いずれの場合でも再生可能エネルギーは25~35%必要なことがわかった。このうち10%程度が水力発電のため、太陽光や風力で20%程度をまかなえるようにならないといけない。これが難問なのだ。ソフトバンクは子会社のSBエナジーで昨年12月から北海道の帯広や苫東で実験的に太陽光発電を開始し、今後も栃木や徳島などで順次展開していくが、2030年に太陽光発電で20%分の電力を確保するには、こうした太陽光発電が日本全国で300カ所も必要になってくるという。ソフトバンクがこれまでに200カ所以上で事業化が可能かどうか調査したところ、最適地の苫東などと比べてほかの地域は日照時間などの条件が悪くなり、その分コスト高になってしまうことがわかった。当面42円で決まった買い取り価格をそうとう引き上げないとペイしない、というのだ。
すなわち日本だけで再生可能エネルギーの比率を高めるのはむずかしい。だから海外から輸入する。国際融通という着想を得たのである。
| (後) ≫
▼関連リンク
・モンゴル政財界の中枢が来福!~日本人が知らないモンゴルの未来
■第16回アジアビジネス研究会
<日 時>
6月4日(月) 午後6時~午後8時
<場 所>
旧福岡県公会堂貴賓館「ジャック・モノ(Jacques Monod)」
(福岡市中央区西中洲6-29 天神中央公園内)
<参加費>
5,000円(飲食代込み)
<定 員>
40名
<お問い合せ先>
(株)データ・マックス
TEL:092-262-3388
お申し込みはコチラ(PDF)
※記事へのご意見はこちら