＜SONY、 富士ゼロックス等が現地で採用活動＞
　張氏のもうひとつの顔は、名門西安交通大学の日本校友会会長である。西安交通大学は、総合大学としても全国で10位以内の常連であるが、特に理工系は強く、張氏が入学時点では、理工系では清華大学に続く第２位であったと聞く。張氏は、現在日本校友会員470名の代表を務めている。日本の大学との関係も深く、慶応大学、大阪大学、名古屋大学、東京工業大学、東京大学等10校以上の協定校になっている。

　理工系の優秀な学生は、日本企業にとっても魅力らしく、SONY、富士ゼロックスなど日本を代表する大会社が、西安まで出張し、同大学校内でブースを構え採用活動をしている。

　読者は、中国で一番古い大学をご存じであろうか。それは、皆さんが想像する、北京大学でも、清華大学でも、南京大学でもないのだ。

　清朝政府時代、1895年に天津で創立の北洋大学、1896年に上海で創立の南洋公学の二校が中国最古の大学と言われている。その後、北洋大学は、現在の天津大学になっている。一方、南洋公学は1921年、孫文が新国家建設の為に、鉄道、造船を担う人材を養成する必要があり、交通大学と変名している。その後、56年には上海から西安に遷移され、現在のような、西安交通大学（西安）、上海交通大学（上海）のような体制になったのは59年のことである。

　今では、交通大学と名前の付く学校は、中国本土、台湾を含めて、５つになっている。
毎年４月８日の創立記念日には、西安交通大学、上海交通大学、北京交通大学、西南交通大学（四川省）、台湾新竹交通大学（台湾）の５つが一同に会し、お祝いをする。

　西安は3100年の歴史を持ち、中華民族の歴史と文化の重要な発祥地である。西周がここを都と定めて以来、秦・漢・隋・唐など2000年に渡り、 13 の王朝がこの地を都としてきている。まさに古都と呼ぶに相応しく、シルクロードの重要な拠点である。

　しかし、現在は、中国政府に認定された国家ソフト産業基地と国家ソフト輸出基地という全国における四つの"双基地"の一つである最先端のソフトウェアパークとして有名である。1998年創立された広大な敷地は面積31万ｍ²、建築面積40万ｍ²におよぶ。

　西安ソフトウェアパークには、国内外の知名度が高いIT企業が進出している。アメリカのインテル、サイベース、日本の富士通、日本電気、ドイツのインフィニオン、カナダのノーテル、台湾のニューソフト等のグローバル企業及び国内企業の200社余りが入居している。

　その西安ソフトウェアパークで活躍する人材の供給先としても、西安交通大学のソフトウェア学院、微電子学院は重要な役割をしている。

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