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特別取材

「受験を考える保護者の会」 正体不明の団体の真意とは(前)
特別取材
2012年8月 6日 11:20

 先日、「受験を考える保護者の会」なる市民団体(?)から、1通の封書が弊社に寄せられた。そのなかには、ある学習塾の不正に関して独自に調べたとされる資料と、調査の意図が記された告発文書が同封されていた。同団体はいったい何が目的で特定の塾を取り上げ、このような資料を関係各所にばら撒き、ネットも使い批判を展開しているのか。謎は深まるばかりだ。

<JAROが調査している?>
bunsyo.jpg まず、同会のホームページ(ブログ)を確認すると、JARO(公益社団法人日本広告審査機構)が、ある学習塾の合格実績水増し広告について調べていると聞き、自分の子どもの合格実績掲載について不審に思っていたことがあったため、塾の合格実績について調べ始めたのが、同会結成の動機とされている。

 この文書が問題視している学習塾とは、福岡市中央区に本拠地を置く九州最大手の英進館(株)のことだ。同社は、現会長の筒井勝美氏が1979年4月に創業し、現在は長男の俊英氏が社長を務めている。12年3月期の売上高は約94億円、在籍生徒数3万1,088名(11年夏現在)を誇る、福岡でも屈指の企業である。

 同社は毎年、中学・高校・大学の合格者数の詳細を発表している。たとえば12年入試では、大学は東大53名、京大13名、九大204名など、高校は修猷館245名、福岡高校241名、筑紫丘216名など、中学は久留米附設107名など、地元福岡だけでなく、ラ・サールや灘、開成など他県の名門にも錚々たる実績を残している。

 告発文書は、こうした数字に水増しがあると指摘している。添付資料には、各中学・高校の合格者数と、そのうち詳細が不明とされる「不明生」についての数字が具体的に記されている。同文書が「不明」としている対象は、新聞広告に掲載された合格者氏名のうち、イニシャルで表記されている生徒および「その他」として掲載されている生徒。「トップ校に合格した生徒が名前を隠すのは不自然」というのが、水増しと結論づける根拠の1つだ。

 しかし、この告発文書をそのまま鵜呑みにするには、どうにも腑に落ちない点が多い。まず、「JAROが調査している」という点である。文書では、JAROが水増し広告について調べていると聞いたのが当文書のきっかけとしているが、そもそもそのような情報が外部(しかも一般人)に漏れるのだろうか。JAROに確認のため取材してみたが、「そうしたことを第三者にお話しすることはございません」とした。

 こうしたことに対して、英進館担当者は「弊社がJAROから何らかの指摘を受けたという事実は一切ありません。この件に関しては5月28日、念のため弊社からJAROに電話をかけて確認を行ないました。JAROからは『英進館に対する指導・注意・問い合わせなどについては一切行なっておらず、むしろそのような誹謗中傷の文書に勝手に"JARO"の名前が使用されたことに対して不快感を持っています』という回答を得ました」と話す。

 問題視されているイニシャルや「その他」という表記については、「公共の機関に提出する資料ではすべて明記しています。個人情報保護の観点から、氏名掲載の許可をいただいたものだけを広告に載せるようにしています」(英進館担当者)という。

(つづく)
【特別取材班】

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