福岡10区に、2005年の小泉郵政選挙で「刺客」として乗り込んで当選した元職西川京子氏は、前回、自民党の基礎票を上回る10万票余を獲得しながら涙を飲んだ。
自民党が今回は、もともと福岡11区で戦ってきた前職山本幸三氏(前回比例で当選)を10区で公認したため、西川氏は無所属で立候補表明。他陣営から「自民党の1本化は今もくすぶっている」との声が聞こえるが、西川陣営は11月30日の事務所開き、出陣式の案内も着々と進めている。「自民党本流」を掲げ、西川氏の基本姿勢は安倍総理の政治理念と重なる。
山本氏は、約80の団体・企業の推薦を受け、自民党市議団が「中核」となる。自民党公認体制に揺らぎは生じていない様子だ。
TPP問題では、全国の農協の離反が目立つ自民党だが、農政連の推薦を取り付けた。「聖域なき関税撤廃を前提とする交渉入りには反対」「守るべきものは守ると事前交渉で確認したうえで交渉に入る」との自民党公約も効果を奏した。
11区からの鞍替え批判に対しては、「門司区の生まれ、中選挙区のスタートの地」だとして、「ふるさとの原点に戻った」とアピール。連日、本人が直接企業訪問を繰り返している。
みんなの党の佐藤正夫氏は、27日夜には、決起大会を開催。「継続は力」と、県議時代から続けてきた辻立ちを、この約3年間も続けてきた。参院選挙では10区で3万4,000票を獲得。「第3極」の風を取り込めば、倍加も夢ではない。台風の目になる可能性がある。
共産党は、元県議の高瀬菜穂子氏が立候補する。
【10区・立候補予定者】
城井 崇(39)民主・前
山本 幸三(64)自民・前
高瀬菜穂子(52)共産・新
佐藤 正夫(57)みんな・新
西川 京子(67)無所属・元
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