<60万人規模の雇用創出へ>
11日、政府は緊急経済対策を閣議決定した。国費投入は約10兆3000億円で、事業規模で約20兆2,000億円に上る見込み。対策のなかでは、『復興・防災対策』による復興の加速を目指し、地方都市におけるコンパクトシティの推進など『暮らしの安心・地域活性化』や"攻めの農林水産業"を推進するなど『成長による富の創出』を実行。大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢で、貿易赤字の解消、製造業などの国際競争力強化を実現していく。政府は、この経済対策により、約60万人の雇用を生み出し、実質GDPを2%程度押し上げる効果があると見ている。
安倍晋三首相は、「成長による富の創出へと転換を図り、萎縮していく経済と決別する。雇用と所得が拡大する"強い経済"を取り戻す。そのためにも日銀と連携した大胆な金融政策が不可欠」と述べ、改めて、円高・デフレ脱却への強い姿勢と、昨年9月の自民党総裁就任後に一貫して述べてきた金融緩和政策への意志を示した。
「民主党は分配を重視し、国全体としてどう稼いで、経済のパイをどう大きくしていくかということに関しては十分ではなかった。発想が十分ではなかったと言っていいでしょう」と自民党が政権を明け渡していた3年3カ月で、民主党ができなかったことを、ちくりと批判した。
<「昔の自民党ではない」>
国費から10兆3,000億円を財政出動した。その費用対効果については、長期的に注視していかなければならない。安倍首相は「昔の自民党のようなバラまきではない。ムダにならないよう費用と効果を見えるようにする。経済効果が早期に出るような工夫もしている」と、公共工事のバラまきではないことを強調している。
大々的な方針を出した形だが、これらの対策は、短期的なものでもある。今回の経済対策が実際に好循環を生み出し、国民の多くが"実感"できる強い経済になるのかどうか。安倍首相は「額に汗して頑張って働けば必ず報われるような真っ当な社会を取り戻すために、長引く円高とデフレからの脱却が決定的に重要」と述べ、国民の奮起も促すなど、強い日本を取り戻すためのメッセージを打ち出している。
年始早々、日本経済再生本部を立ち上げるなどスピード感をアピール。果たして、実感できる経済に向けて、安倍首相の言うようなロケットスタートとなるのかどうか。自民党としては、今夏に行なわれる参院選までに経済対策の何らかの"結果"を出したい考えだ。
市場や海外投資家は、この安倍政権の姿勢を好感しており、対ドルの円相場は、一時、2年半ぶりとなる1ドル=89円台となった。
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