1月27日告示、2月3日投開票の福津市長選に伴い、立候補予定者による公開討論会が23日夜、福津市内で開催された。主催は、社団法人 宗像青年会議所(井上崇理事長)、ローカル・マニフェスト推進ネットワーク九州の神吉信之代表がコーディネーターを務めた。
同討論会には、現在、立候補を予定している現職・小山達生氏(65)と、新人の平木俊敬氏(64)がパネリストとして参加。同市の行財政改革、教育・福祉、経済の施策などをテーマで、各々、自分の考えを主張したが、とくに地域自治のあり方や高齢化対策で違いが見られた。
同市が抱える課題の1つとして、「郷づくり推進協議会」のあり方が問われた。同事業は、市内93行政区を8つの地域に分け、市から1地域200万円を上限とする交付金を得て、市民が広域的に自治活動に取り組むといったものである。初代市長時代(2005年3月~09年3月)に始まったが、現在、従来の自治会(区)やNPO、ボランティア団体との関係性、地域によって異なる組織構成、地域によっては拠点施設がないことなどで見直しが求められている。昨年(12年)1月、同市は「郷づくりの手引き」を発行。「自治会(区)活動を補完する組織」として位置付ける方針が示されている。
討論会では同協議会について、小山氏は「市と対等な関係」「自治は進んでいる」とし、昨年から自治会区長が参加するようになったと説明。一方の平木氏は、現状を不完全として「共通したロードマップが必要」「独立性を保ちつつ、行政の指導で運営されるべき」などと認識の違いを見せた。地域自治の拡充は全国の地方自治体で進んでいるが、「地域の自立」という観点からは、行政組織の関わり合いが問われる。
また、商業施設の集積が進む一方で、同市では65歳以上の割合が12年末時点で26.1%(1万4,906人)と高齢化が進み、高齢者の「買い物難民」の問題が発生。その対策について、小山氏は「松原商店街を中心に、シルバー人材センターを活用した買い物難民への宅配サービス」、平木氏は「交通システムの整備」と異なる考えを示した。
任期4年中の最優先課題としては、小山氏は、子育て人口の増加にともなう「待機児童対策」をあげ、平木氏は、「庁舎運営の見直し」をあげた。行政機能を2つに分けている旧2町庁舎の統合問題については、両氏が今年3月中に出される審議会の答申を受けて検討するとしており、具体的な内容は示されなかった。
また、小山氏から、市内に6,000kwのメガソーラーが今年中に完成することや、地熱利用のエコタウン構想、海岸と松林の間にある1,000坪の市有地を活用し、1店1品の施設「食の街道」を整備することなど、新事業の構想が述べられた。一方、平木氏は、財政状況から「(現在の)市事業の継続は難しい」との見方が示された。
市民約600人が参加して行なわれた同討論会だが、「具体的政策はあげられないにしても、市政への意欲などを熱く語って欲しかった」(50代男性)という感想も聞かれた。討論会の主催者が事前に行なった中学3年生約500人、新成人約50人へのアンケートでは、中学3年生の約60%が「住みやすい」と回答する一方、新成人の半数が市長選への関心の低さを示すなど、市民の代表としての市長のあり方が問われる選挙になりそうである。なお、同市長選には、小山氏と平木氏のほかにもう1人、新人の男性が立候補を検討している。
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