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経済事件簿

『脱税集団アースハート』の裏側を抉る(1)~何故、民はインチキに縋るのか
経済事件簿
2013年2月 4日 17:43

<10年経つと民の意識は風化>
 Tという詐欺師が博多区博多駅東にビルを所有している。人が近づかないように物々しい防御を設置しているのだが、知る人は皆「またTが踏み倒したんだろう。だから(Tが)物件を掌握したのだ」と知ったかぶりの解説をする。一面は正しい。ところが踏み倒された側は日本でも有名なトップ企業である。「どうして素性を調べなかったのだろう?すぐ本質がわかるのに!!」という疑問が湧く。「どうも日本の民の記憶は10年で風化してしまうのだな。これでは悪人を野放しにしてしまう。嫌な忘れっぽい習性だな」という諦めの心境に陥ってしまう。

 今回、「脱税集団アースハ―ト」が摘発を受けた。以前からもめ事は表面化していた。《マインドパワー》セミナー受講料70万円に民が殺到。人気故に繁盛し売上は鰻登り。そうなれば宗教法人を悪用した脱税への画策が容易になるのである。70万払った一部の民から『何の効果もなかった』と騒ぎたてられた結果、表沙汰になり問題が表面化。事件が公然化してあらためて空しい思いばかりが募る。「10年前も同じ手口が横行した。宗教法人泰道(たいどう)が同じ手口を使って派手に稼いだ。民事訴訟で損害賠償を払わされたのだがなぁ」。

 hp.jpg《脱税集団アースハート》の代表者は、その泰道(現・宝珠宗宝珠会)の流れを組む者だと言われる。泰道は開俊久元会長らが1986年2月に佐賀市に設立したものである。相手の体に両手をかざして患部の痛みを取るというハンドパワー〈生命の作用〉を売り物にして入会時に140万円を納めさせていた。この悪徳商法は裁判沙汰になり泰道側はことごとく敗訴になっている。2001年から2003年にかけて裁判所は泰道側を『社会悪集団と断じたのである。

 それから10年も経過すると、民の意識は風化してしまう。悪辣な連中は知恵を巡らしてくる。泰道時代は宗教色を強めていた。今回は企業セミナーのように見せたうえで、宗教法人の組織を脱税の隠れ蓑にしているところに悪人たちの進歩の跡がみられる。

<仕事欲しさに魂を売る民>
 かつて、この泰道の序列No.4に座った不動産会社の社長がいた。仮にA氏としよう。彼は難病を持っていたが、開元会長のハンドパワーで奇跡の完全回復を果たした。個人の原体験は強い。彼は不動産購入の判断まで開氏に判断を仰ぐまでになったが、そのお陰であろうかA社の業績は急伸。同時に納税ではなく宗教法人に莫大なお布施を貢いだ。その貢献を認めた教祖はA氏を組織内№4の序列にまで抜擢したのである。ここまでは個人の精神的な領域であるから他人様からとやかく批判されることはない。
 
 この社長は『良かれ』と思ったのであろう。社員、取引業者にもこの《泰道》を信ずるように勧誘した。A氏の会社側が「泰道に関わらないと取引の継続は難しい」というニュアンスの話を流したものだから《泰道》の宗教勉強会に熱心に参加するふりをする者が続出した。ところが、この勉強会から離れると誰もが不平・不満をぶちまける。A氏の会社幹部の一人は創価学会の幹部である。この人物も社内の地位保全の為にエセ信者になって取引業者に入会を勧めた。仕事欲しさと、組織のポストを守るためにエセ信者になるのである。

(つづく)
【青木 義彦】

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