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みずほ銀行の「反社会的勢力」への対応~再び露呈した三行合併のツケ(5)
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2013年10月10日 07:00

 みずほ銀行は昨年12月金融庁から「問題融資」を指摘されたが、時を同じくして安倍晋三内閣が成立した。特にみずほ銀行を傘下に収めるみずほフィナンシャル(FG)にとって願ってもない安倍政権の誕生であった。

 それと言うのも、第一勧銀、富士銀と日本興銀と合併してみずほ銀行が誕生したが、三行合併を推進していた当時の興銀頭取の西村正雄氏は、安倍晋三総理の叔父(父安倍晋太郎元外務大臣の異父兄)にあたり、後にみずほホールディングス会長を務めたからであった。
 当時の安倍晋三氏は父の後を継ぎ1993年(平成5年)、旧山口一区から第40回衆議員選挙に立候補して初当選した一年生議員として駆け出したばかりであった。
 東京では知名度の低かった安倍総理は経済界に顔の広い西村頭取の引き立てにより、着々と人脈づくりに励むことができた。その後小泉内閣で官房長官に抜擢され、総理大臣のポストを掴むことができたのは、まさに叔父の西村正雄元興銀頭取のお陰であった。

 佐藤康博みずほFG社長(兼みずほ銀行頭取)も興銀出身であり、その様な関係を知っていたからこそ、金融庁が「問題融資」の改善を求めても無視し続けることが出来たのでは思われるほどの不遜な態度であったと言える。
 金融庁長官は2年で退任するケースが慣例で、畑中龍太郎長官も2年目に入っていた。そのため、みずほ銀行は、昨年12月に指摘された「問題融資」はいずれうやむやになると見くびっていたふしが見られる。
 しかし、今年6月になって畑中長官の続投が決まったことが、みずほ銀行首脳にとって誤算だったと言えなくもない。金融庁としても、みずほ銀行の横暴をこのまま見過ごすことは出来ないと判断し、9月27日に業務改善命令を発令したと推測される。

 今月4日、岡部俊胤副頭取(みずほFG副社長兼務)は記者会見し、歴代の役員すべてが『問題融資』を放置していたことを認めたが、頭取ら経営トップに報告していなかった」と説明していた。
 その対応にマスコミからの批判を浴び抗しきれずに、8日になって佐藤頭取が記者会見に応じ、「西堀利頭取は知っていた。その後の取締役会議でも議題として取り上げられていたし、その後の頭取及び自分もその資料に触れる立場にいた」と弁明し、事実上経営トップに報告が上がっていたと今までの報告を訂正し陳謝した上で、三人の弁護士で構成する「第三者委員会」に、自分の責任問題も含め、真相究明に当たると説明した。

 みずほ銀行の前身は1873年(明治6年)に日本で最初に設立された第一銀行であり、銀行の統一の金融機関コードは0001で、存続銀行は第一勧業銀行である。
 日本の近代化に多大な貢献をした伝統ある流れを組むみずほ銀行は、日本経済を支える3メガバンクの一つであり、一般企業とは違った高い企業倫理が求められている。先人が築き上げたみずほ銀行の信用は瓦礫のように崩れ落ちたと言えよう。
 この際、佐藤頭取をはじめとして、この「問題融資」に関与した取締役の総退陣はもちろん、腐りきった体質のみずほFG自体を解体して新しく出直した方が、アベノミクスが掲げる『日本経済の再生』のためには良いのかもしれない。

(了)
【北山 譲】

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