その再生可能エネルギーの分野で全国に名を馳せる先駆的企業、それが芝浦グループホールディングス(株)(芝浦GHD)を中心とした芝浦グループ各社だ。九州の地方都市にありながら、12年7月1日に全国のトップを切ってメガソーラー発電所を稼働させ、同年末には日本初のファンド型メガソーラー発電所事業を展開。さらに、翌13年3月には22メガ級(東京ドーム7.5個分、当時国内最大級)のプロジェクトを完遂させた。矢継ぎ早に繰り出される実績を頼りに、同社には全国各地から相談が舞い込む。
今や300億円企業(13年7月期グループ合計)に成長した同社も、30年前は年商1億円の小さな電気店であった。家電量販店の台頭に晒された新地哲己氏(現グループ会長兼CEO)が興したのが、芝浦特機(株)という電気工事会社。「特機」の2文字に、独創性を重んじる新地氏の姿勢が滲み出る。実際、風変わりな代物を手がけることが多かったといい、同氏考案の全戸別供給型太陽光発電付賃貸マンション「ニューガイア上石田」が、05年に経済産業大臣賞を受賞したことで、一躍その名を全国に轟かせた。その7年後、同社はメガソーラー発電事業に参入。再エネ法の施行当日に、福岡県嘉麻市の発電所を稼働させることになる。
他に例を見ない試みを成功に導く秘訣は何か。この点について新地氏は、「手本などあるはずもありません。自分たちが手本になろうと考えるべきなのです」と、事もなげに語る。物事を実現しようとする強い信念と計画性、これを具体化するための技術力――これらを併せ持つことが、新地氏率いる芝浦グループの最大の強みであるように思われる。
(つづく)
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<COMPANY INFORMATION>
代 表:新地 哲己
所在地:北九州市小倉南区上石田4-17-22
設 立:2010年8月
資本金:4億5,400万円
TEL:093-962-6007
URL:http://www.shibaura-group.com/
<PROFILE>
新地 哲己(しんち・てつみ)
1953年4月生まれ。77年10月、シンチデンキを個人創業。84年8月、芝浦特機(株)を設立し代表に就任。2005年、同氏考案の全世帯太陽光発電付賃貸マンション「ニューガイア上石田」が、「第10回新エネ大賞」経済産業大臣賞を受賞。10年8月、メガソーラー発電事業の展開にともないを設立し、代表取締役会長兼CEOに就任。
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