シリーズ「官は守ってくれない!」 ~行政テロの脅威~ 官製談合に関与 (株)大藪組 |
[特別取材]
2008年05月08日 13:05 更新
昨年10月に発覚した大木町官製談合事件に関与したとして大木町を始め各地方自治体で指名停止となった(株)大藪組。談合に係った汚名は払拭できるのか。
筑後地区を中心に総合建設業を手掛ける
(株)大藪組は1945年12月に設立された土木・建築業者。創業は1890年(明治23年)、筑後地区での長い業歴を持つ。現在では土木・建築業に加え、とび・土工、管、舗装、内装仕上、造園、不動産業と、事業展開は多岐にわたり、地場では名を知られた業者である。また八女、久留米地区にも営業所を開設し、さらには熊本市、八女市にも関連会社を立ち上げている。
事業の柱のひとつである建築は、公共施設から集合住宅、店舗、病院福祉施設まで幅広く手掛けており、全体の売上高の半分以上を占め、受注意欲も旺盛である。
大木町官製談合に加担、営業本部長が逮捕される
同社の2007年5月期の売上高は44億8,317万円を計上、過去最高の業績を残した。収益面では経常損益段階で1億396万円を計上し、高い利益率を誇る。また、現金預金も12億円超、月商換算で3.2カ月分を確保。有利子負債は無く、長らく無借金経営を続け、自己資本比率は55.7%と高い水準で、固い経営基盤である。
同社は公共工事中心の受注体系、07年6月期の売上高における公共工事の割合は23億9,865万円で、全体の約55%を占めている。だが、その公共工事で、官製談合事件が発覚。同社営業本部長が談合に加担して逮捕されるという事態となった。同社は昨年10月から地元の筑後市で12カ月間、福岡県で今年1月から15カ月間、大木町で24カ月間と、いずれも長期間の指名停止を受けることになった。
固い経営基盤を持つだけに、今回の事件が屋台骨を揺るがす事態にはならないだろうが、営業本部長の逮捕や指名停止措置を含めて、今後の経営に影響するのは必至。地場有数の業者ゆえに、コンプライアンスの見直しが求められる。