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【連載】オンダの「日本愛すればこそ」レポート(1)
福岡県政ニュース
2008年9月29日 16:42

頓挫した築城基地拡張計画―防衛省のチグハグ対応の裏に何が?(上)

 住民が「どうも腑におちん。じゃけんみんな反対するとよ」という通り、航空自衛隊築城基地拡張計画が地元挙げての反対に遭って宙に浮いている。築城基地といえば、旧軍から米軍統治を経ていまの空自に至るまで、対馬海峡から東シナ海一帯の防空を一手に担う一大拠点だ。そんな重要基地の拡張計画とあれば、賛否両論ならわかるが「皆んな反対」は通常考えられない。
 同基地に拡張計画があり、それを住民、議会、行政も拒否し、防衛省に白紙撤回を求めていることを知ったのは今春。九州の無人島が中国資本に買われる可能性があり、その関連で情報収集していたときだ。報道によれば、同基地の地元に当たる行橋市、築上町、みやこ町が九州防衛局(福岡市)から拡張計画を説明されたのは昨年11月。事前打診もない突然の話だったうえ、すでに調査費4,000万円が概算要求されているとあっては地元が戸惑うのも当然だろう。

 中長期的展望で計画されたものであれば、防衛省は地元に事前に打診し、それなりの根回しをするはず。唐突に話を持ち出すのは不可解と何か引っかかるものがあった。すると夏になり、永田町関係者との情報交換で築城基地の話に及ぶと、
「ああ、あれは防衛省と地権者の以心伝心というか、むしろ地権者側が積極的で防衛省もこれ幸いと乗ったものの、今は困っているんじゃないの?」
 という耳よりな情報。
 そこで事の経緯を追ってみると興味深い背景が浮かび上がってきた。
まず拡張計画が地元に示された11月下旬は、昨年受け入れた米軍再編に伴う日米共同訓練に対し、見返りとしての再編交付金が決まった直後だった。共同訓練は全国6基地で実施されることになっていたが、その皮切りになったのが同基地。3月の1回目は受け入れたものの、2回目の6月には地元の反対を押し切っての訓練となった。

 交付金はそれに対する地元へのいわば謝礼だが、行橋市と築上町がともに2億1,200万円、みやこ町は1億1,200万円と差がついた。金額への3市町の受け止め方はさまざまだが、みやこ町側により不満が強いのは当然だろう。同基地は行橋市と築上町の境界にあるが、東西を走る滑走路の延長線上はすぐみやこ町になり、戦闘機の爆音被害は同じだからだ。


[プロフィール]
恩田勝亘(おんだ・かつのぶ)
 1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない ― 舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』(七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)など。


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