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コダマの核心

歴史的価値観の激変による翻弄 神様をおかしくした樺島社長(作州商事)その11・最終回
コダマの核心
2008年11月30日 18:34

第一期バブル時代の先輩たちも翻弄された
 1992年を破裂のピークとするバブル時代の先輩たちも、歴史的価値観の激変に翻弄されっぱなしであった。一時は天下を取ったつもりでいたが、一瞬にして敢えなく倒産した場合はまだ救われた方であった。倒産したケースの中には自殺者、塀の中に落ちた人たちの例が数多く含まれていた。一番、強力な印象を受けたのは、博多区にあった日本住宅産業の今長谷社長の壮絶な最期であった。自分の車中で覚悟の猟銃自殺をされたのだ。
 住宅産業の寵児と言われた『興栄ホーム』は会社更生法を申請した。花田社長は二重三重のローン詐欺で実刑を受けたが、これにはある種『見せしめの刑』という感じを抱いた(実刑6年は過酷な判決であった)。花田社長が一時、在籍していた『大蔵住宅』の坂本社長は、同氏の悪口を言うのが当時の日課であった。ところが興栄ホームが倒産した際に坂本社長が筆者にかけてきたTEL先で「花田社長は可哀そうだった。苦しかったであろう」とワンワン泣いていた。「坂本社長は異様な心理状態にあるな」と危惧の念を抱いた。この社長は2ヵ月半後に服毒自殺した。勿論、会社も倒産してしまった。

翻弄のドラマ第二期の主人公トップは城戸氏
 第二期バブル時代(1993年以降組)の後輩たちは「会社を設立した時点では先輩たちの二の舞にはならないぞ!!」と誓い、先例を教訓としていたはずだ。「土地の価格には左右されずに実需一本の手堅い商売をしよう」と志を高らかに掲げていたのだが―。今回のバブルが弾けるまでに15年の時間を要した。経営者達も15年間も失策がなく、少しずつでも右肩上がりの業績が持続すれば、内心に油断・傲慢を抱くようになる。これは『人間の性』である。戒めが忘却の淵に追いやられ、破綻する方向へ向け呪縛される。
 1993年以降組の歴史的激変に翻弄された経営者の中には、小賢しく小物ぶりが目立つ人が多い。インベストの場合には経営の公私混同ぶりを突かれて一時、早川オーナーは代表取締役を解任された。金にだけ執着する小物さが、人物像として露呈された。丸美・金丸氏の場合には、佐賀銀行から融資をストップされた危機から立ち直った根性だけは高く評価されていた。だが『博才』が高じてしまったのか、ホテル利用券を一般のお客(マンション管理組合の居住者)に押し付け、話の辻褄が合わなくなって破綻した。塀の中に転んで行く者の予備軍である。
 ディックスクロキの黒木氏も図に乗りすぎた。不動産ファンドを活用するなかで己の経営理念の本質を変質させた。そこから『破綻という翻弄の波』に飲み干されてしまった。だが本人はもう一度、踏みつけられた麦のように『再生のための戦い』に挑戦している。このケースとは対照的に「二代目の凡々」による逃避の例が九州八重洲興業の梶氏の例である。親和銀行に叩かれコケにされても怒りの気持ちも表わされず、番頭さんに『西部瓦斯』グループに身売りすることを任せて自分はサッサと東京世田谷に御帰還された(悠々自適の生活が保証されている)。番頭さんの悔しい心中を察することもなかった。
 その点では城戸氏は『第二期の翻弄のドラマ最大の主人公』である。周囲に祭り上げられたことにより、本人はおかしな神様になり下がってしまった。指摘できうる点は、すべてこのシリーズ10回で述べてきたつもりである。ただこの人の偉さは土地転がしにのめり込まなかったという事実だ。『実需マンション供給一筋』に専念していたことである。だからこそオーナー城戸氏が亡くなっても会社は今のところ経営危機に陥っていない。普通、経営トップが急逝すれば会社存亡の事態が発生する。この面では城戸氏の素晴らしい才覚が証明されている。

樺島社長の選択の道
 今後の作州商事はどうなるのか。「城戸氏自身が残された未亡人にどういう遺言を伝えているかで決まる」という関係者の証言がある。その人は「まずは『身内に事業を相続させろ!!』ということはない」と断じている。そうなると樺島社長は急がねばなるまい。城戸氏が逮捕された2006年3月に筆者が助言していた『資本政策』である。緊急に裁判リスクを撲滅させれば企業価値は最低でも14億円にはなるはずだ。その資本政策を全うできれば作州商事は前途洋洋となるのは間違いないであろう。(終わり)

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