積水ハウス(以下、積水)、大和ハウス工業(以下、ダイワ)による上野公成元官房副長官側への巨額政治資金提供は、その大半が「政治資金パーティ」を利用したものである。六つの政治団体を利用した、06年、07年の積水から元官房副長官側に対する政治資金提供額は合計7,886万9,914円。そのうち95%の7,500万円が政治資金パーティへの支出である。ダイワの政治資金提供額は7,200万円で、その全てがパーティへの支出である。不適切と思われる巨額政治資金提供と、異常とも思われるパーティ開催回数。どのような形で実行されたことになっているのか、上野氏側政治団体の政治資金収支報告書と領収書をもとに検証を進めていくが、まずは、上野元官房副長官関連政治団体による、06年の政治資金パーティ開催状況について見ていくことにしたい。
06年、政治資金パーティの実態
06年、上野元副長官関連政治団体の主催による政治資金パーティ開催は22回(注)。次の表は、開催日、パーティの名称、主催政治団体、会場、そして積水、ダイワの支出の有無である。なお全ての政治資金パーティにおいて、積水、ダイワの1回の支出額は150万円である。(注・表のうち最後の記載は翌年1月のパーティに関する分を、前年の12月に支出したもの。)
積水・大和関連パーティ開催状況(06年) 平成18年分 |
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開催日順 |
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上の表の通り、06年の積水、ダイワの支出合計額はそれぞれ同額の3,000万円、合計6,000万円になる。赤坂プリンスホテルもしくは霞山会館のいずれかを会場とし、主催として使われた政治団体は上野元副長官の政治資金管理団体「上成会」をはじめ、「上野公成後援会」「住宅政策研究会」「環境問題研究会」「高齢社会研究会」「上野公成君を励ます会」の6団体。資金管理団体「上成会」は上野元副長官が代表を務めているほか、他の5団体のうち4団体の代表は元副長官の元政策秘書が兼任、残りの1団体も別の元秘書が代表を務めていた。会計責任者についても全ての団体が元秘書ばかりで占められる。6団体の住所は、07年の参院選当時、上野公成選挙事務所が置かれていた港区虎ノ門のビルの1室だった。
この表を見るだけでも、パーティ開催日程は明らかに妙である。8月、10月は1ヶ月のうちに3回、12月が4回、11月にいたっては何と6回の政治資金パーティが開かれている。中でも11月21日、12月19日には1日に2回のパーティが、赤坂プリンスホテルという同一会場で開催されている。そんなことがあるのだろうか?【特別取材班】
つづく
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