10月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた産業用機械販売の(株)協立(本社:東京都港区西新橋、代表:神原浩暢)。入手した決算書によれば、近年の売上高は2007年3月期71億1,634万円、08年3月期66億6,389万円、09年3月期57億9,205万円と目下の経済状況の影響を受けて、売上高は減少傾向であった。しかし、本業の儲けを示す営業利益は1億円弱を計上していたようだ。では、破綻原因は何だったのか?取材を進めると、次のようなことが分かった。
今回の事態に陥った主な原因は、先代が過去に行った投資が失敗。先代はそれを隠蔽するために関連会社へ資金を流出していた。現経営陣がこの資金流出を把握したのが、08年6月のこと。過去の投資や流用された金額の合計は約17億円にのぼることが判明。このことで同社は慢性的な手許資金が不足、あらゆる対策を講じたが結果的には11月2日期日の約4億円の支払手形の決済ができず、民事再生法の適用を申請した。
協立は工場設備や機械装置で使用されるコンプレッサーや真空・空圧機器などのFA機器の販売会社であった。国内主要都市に営業所を設置、大手メーカーなど約300社と取引をしていた。しかし、周知の通り08年後半頃からの景気悪化に伴い、半導体や自動車関連企業を中心に設備投資意欲は激減している。
そのようななか、次回以降、製造業不況の影響を直にうけている機械商社の現状をレポートする。
【発信・北九州】
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